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不動産格差

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2022年問題への対応遅れが空き家増やす

不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修氏

 本格的な人口減少時代の到来によって、不動産市場が大きく変わろうとしています。「不動産格差」は既に全国各地で顕在化していますが、時間の経過ととともにますます開き続けるでしょう。資産化する「富動産」から、マイナス資産となる「負動産」まで、「勝ち組不動産」と「負け組不動産」がはっきりする時代が到来したのです。最終回は、住宅市場の「2022年問題」が発生する背景と、その対策の重要性を説明します。

2015年春あたりからアパート空室率が異常な伸び

 不動産評価サイトを運営するタス(東京・中央区)の賃貸住宅市場レポート(2017年1月版)によると、1都3県(東京、神奈川、埼玉、千葉)のアパート系(木造、軽量鉄骨)空室率ポイントは、2015年春あたりから異常な伸びを示しています(図表1)。

図表1 1都3県アパート系(木造・軽量鉄骨)の空き室率推移

 2015年に相続増税が行われたことを受け、一定規模の土地にアパートなどの住宅を建てれば土地の評価額が大きく減額するため、節税対策としてアパート建設が行われた結果です。

 こうした事態を受け、金融庁や日銀は急増するアパートローンに対し監視を強める姿勢ですが、今のところその効果は出ていません。

 実際の需給とは関係なく、節税対策のために新築アパートが建設されると、周辺地域の空き家が増え、賃料水準が下がるといったデフレ効果を生じます。そして不動産価格はもちろん下落します。

 でははたして、こうした中で不動産を購入してもよいのでしょうか。答えは「条件付きでOK」です。先に述べたように日本の不動産は大きく三極化するという流れを読み取り、価値の落ちない、あるいは落ちづらい不動産を選択すればよいのです。こうした立地は東京都心部だけではなく、都市郊外部にも、地方にも見つけることができます。

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