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不動産格差

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2030年、新築つくり過ぎで3割が空き家に

不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修氏

 本格的な人口減少時代の到来によって、不動産市場が大きく変わろうとしています。「不動産格差」は既に全国各地で顕在化していますが、時間の経過ととともにますます開き続けるでしょう。資産化する「富動産」から、マイナス資産となる「負動産」まで、「勝ち組不動産」と「負け組不動産」がはっきりする時代が到来したのです。今回は新築住宅と空き家の関係について説明しましょう。

2030年に3割が空き家に

 近年、いわゆる「空き家問題」が社会を賑わせています。2013年時点で日本の空き家は820万戸あり、空き家率は13.5%です。2017年時点の空き家数は1000万戸を突破していると思われ、2030年の空き家率は30%台に上るという予測もあります(図表1)。

図表1 総住宅数、空き家数および空き家率の推移と予測

 さて、研究者の間では空き家率が30%を超えれば、都市環境は悪化し、居住快適性が著しく低下することが知られています。空き家への侵入が増え、放火などの犯罪の温床になります。何より街が荒れてくると、暮らしている人々の心が荒みます。

 かつてベルリンの壁が崩壊したとき、旧東ドイツの人々が旧西ドイツに大挙して押し寄せ、東ドイツでは空き家率30%、40%といった都市が続出、地域の荒廃が大きな社会問題となりました。

 こうした事態を受け、2015年5月、日本では「空き家対策法」(空き家対策特別措置法)が全面施行されました。防犯、景観、衛生などの観点から危険や害があると判断されると、その家屋は「特定空き家」に認定されます。

 「特定空き家」になると、行政は固定資産課税台帳を参照するなどして、所有者名義を特定できます。また、空き家への立ち入り調査も行えるほか、修繕や撤去を命令、さらに行政代執行で建物を解体、その費用を所有者に請求することができます。

 同様に税制改正ではこうした空き家について固定資産税の軽減措置を見直す、つまり固定資産税を6倍に増税する見込みです。

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