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肖敏捷の忠言逆耳

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試金石となる米国産牛肉の輸入再開

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

不可解だった30年前の「牛肉とオレンジ」

 1988年1月に留学のため、筆者は初めて来日した。来る前に、中国で数年間日本語を習い、それなりの自信があったが、来てみたらやはり分からないことだらけだった。典型的なのは、新聞やテレビでよく「牛肉とオレンジ」といった表現に接する時だった。

歴史は繰り返すか。中国が米国産牛肉の輸入再開を決めた。 歴史は繰り返すか。中国が米国産牛肉の輸入再開を決めた。

 なぜ、日本のマスコミは毎日「牛肉とオレンジ」の話をこんなに大々的に取り扱うのか、なぜ、アメリカ人は日本に「牛肉とオレンジ」を必死に売り込もうとするのか、言葉は分かるが、意味はまったく分からなかった。ちなみに、約30年後、顧客訪問やセミナーの際に筆者が平成生まれの日本の若者たちに「牛肉とオレンジ」を聞いてみたら、どこかで聞いたことのある話だが、分からないと回答する人が少なくなかった。

 1988年は、日米が第3次牛肉・オレンジ交渉で輸入割当撤廃及び関税の段階的な引き下げについて最終合意した年である。その後、日米貿易摩擦に関する知識が増えるにつれ、あの偉大なアメリカは牛肉とオレンジ以外に日本に売り込むものがないのか、アメリカの凋落を嘆いたことを覚えている。

 しかし、わずか数年後、バブル崩壊をきっかけに日本が長期低迷に突入し、アメリカが復活の道を辿り始めるとは夢にも思わなかった。

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