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不動産格差

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不動産の9割が下がっていく

不動産コンサルタント、株式会社さくら事務所 会長 長嶋 修氏

 本格的な人口減少時代の到来によって、不動産市場が大きく変わろうとしています。「不動産格差」は既に全国各地で顕在化していますが、時間の経過ととともにますます開き続けるでしょう。資産化する「富動産」から、マイナス資産となる「負動産」まで、「勝ち組不動産」と「負け組不動産」がはっきりする時代が到来したのです。いま不動産市場で何が起きているのか、これからどうなるのかを探ります。

不動産は三極化する

 不動産は買い時なのか? この質問に一言で答えるのは昨今、非常に難しくなりました。理由は大きく二つ。一つは、「世界の政治・経済情勢が非常に不透明であること」です。イギリスはEU離脱を決めました。アメリカでは保護主義的政策を打ち出す不動産王トランプ氏が大統領に就任、演説やソーシャルメディアで過激な発言を繰り返し、そのたびに金融マーケットは上へ下へと翻弄されています。トランプ政権に対する議会の対応も不透明なままです。

 もう一つは「不動産市場の三極化」です。国内のほとんどの不動産価格は下がり続け、価値ゼロないしはマイナス価値に向かう物件が出てくる中で、一部の不動産には上昇の余地が残されています。

 その内訳はざっと、
「価値維持あるいは上昇する 10~15%」
「徐々に価値を下げ続ける 70%」
「無価値あるいはマイナス価値に向かう 15~20%」
 といった具合です。

 このことは、どのタイミングで、どんな場所に、どのような不動産を買うかで、天地ほどの格差が生まれることを意味します。資産化する「富動産」からマイナス資産となる「負動産」まで、「勝ち組不動産」と「負け組不動産」がはっきりする時代が到来したのです。

 まずは2012年、民主党から自民党への政権交代後の不動産市場を振り返ってみましょう。

 民主党政権のデフレ政策ともいえるような政権運営、また東日本大震災といった不幸も重なって、停滞していた日経平均株価は、「大胆な金融政策」「機動的な財政政策」「民間投資を喚起する成長戦略」の「三本の矢」を政権運営の柱に掲げる自民党への政権交代で、その局面が大きく転換しました。

 「アベノミクス」による資産インフレ期待に加え、リーマン・ショック後一定の回復を果たしてきた他先進国に比べ、割安感もあって、8000円台だった株価は2013年12月末、1万6291円(終値)へと急浮上しました。

日経平均と連動する東京都心の中古マンション価格

 東京都心部の中古マンション価格動向は、日経平均株価と見事に連動しています(図表1)。2012年の政権交代以降のグラフを見れば、都心3区(中央区・港区・千代田区)の中古マンション価格は株価と軌を一にするように、一気に停滞から右肩上がりへ反転していることがわかります。

図表1 日経平均株価と都心3区中古マンション成約単価の比較

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