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肖敏捷の忠言逆耳

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今年も「権威人士」は登場するのか?

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

「権威人士」に対し、やはり正体不明の「郭同欣」が反論

 政治、軍事、経済などほぼすべての最高権力を手にしたはずの「権威人士」は実名で堂々と指示すれば、それは必ず政策の方向性に決定的な影響を与えるに違いない。例えば、「住宅は人間が住むためのもので投機のためのものではない」といった発言は国民から絶大な支持を得られるはずだ。

 一方、「権威人士」の発言に対し、「郭同欣」という署名が国務院のホームページや「人民日報」を通じて反論していた。「権威人士」と同様、「郭同欣」も正体不明だが、ただ者ではないはずだ。

 結局、「権威人士」も「郭同欣」も大規模な景気刺激策の実施を否定し、構造改革の重要性を訴えていたが、そもそも何が争点だったのか、何のために対立していたのか、よく分からないと言わざるを得ない。

 恐らく、何十年後かに、様々な内部資料が解禁されれば真相が分かるかもしれないが、経済政策について「権威人士」と「郭同欣」の間では熾烈な主導権争いが起きたのではないかと推測するしかない。

 ここ1年間、経済政策について、習近平国家主席の発言が明らかに増加し、彼が提唱した供給側構造改革も李克強首相をはじめとする政府高官が必ず口にするようになったことから、「権威人士」は完勝したといえよう。

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