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肖敏捷の忠言逆耳

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今年も「権威人士」は登場するのか?

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

政府は「良いスタートを切った」と言うものの......

 例えば、2016年1~3月の実質GDP成長率が前年比7%増加したことを、中国国務院の張高麗副首相や国家統計局は「良いスタートを切った」という意味の「開門紅」という表現を使った。

 しかし、これに対して「権威人士」は中国経済が抱えている固有の問題点がまだ改善されておらず、「開門紅」という表現を慎重に使うべきだと警告する一方、予想より景気が良くなったのは大規模な投資や融資に頼る「古い手法」がもたらした結果にすぎないと喝破した。

 また、2016年3月の全国人民代表大会(全人代)では、金融機関の不良債権問題を解決するため、李克強首相は「債務の株式化」を検討すると表明した。これに対し、「権威人士」は政策コストが高すぎ、他人を欺くようなものだと一蹴した。

 さらに、「権威人士」が今後の中国経済が相当長い期間「L」字を辿ると発言したことも、中高速度の成長を続けるといった国務院との見解と矛盾している。こんな事態が日本で起きたら、閣内不一致と指摘され大騒ぎになりかねない。

 これまでの「権威人士」のインタビュー記事を読み返してみたら、的を射た発言が多く、なるほどと納得させられる内容は確かに少なくないと改めて感じた。問題は1年経った今も、「権威人士」はなぜこのような形で登場するのか、未だに理解できないということ。

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