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肖敏捷の忠言逆耳

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今年も「権威人士」は登場するのか?

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

中国の経済政策を批判できるのは「権威人士」だけ

 ここ数年、中国の経済政策を議論する際、「権威人士」という固有名詞が頻繁に登場するようになっている。中国のことについてそれほど高い関心を持っていない人にとっては、この固有名詞が何を意味しているのかさっぱり分からないかもしれないが、中国経済の専門家たちにとっては、この固有名詞を抜きにしては話が成り立たなくなるほど、重要度が増しているのだ。

 そもそも、この「権威人士」はどのような存在なのか、個人なのかそれとも組織なのかいまだに正体不明なため、余計に神秘的な存在としてのイメージが独り歩きしている。これまでに「権威人士」は、2015年5月25日、2016年1月4日、2016年5月9日の合計3回、共産党の機関紙である「人民日報」に登場した。

 経済学者だったら中国共産党機関紙の人民日報の一面に登場することはまずありえない。また、3回ともインタビューに応じる形で長時間語っているが、「習近平」という固有名詞に触れたことは1回もなく、中国の政治文化に詳しい方なら、これもあり得ないことだとすぐ分かるはずだ。

 だとすると、この「権威人士」は習近平国家主席本人か、その経済ブレーンである劉鶴・党中央財経指導小組弁公室主任か......。このような観測が出回っても不思議ではない。とりわけ、3回目の登場で確信を得た人は少なくないだろう。中央政府の経済政策を堂々と批判できるのは、権力のトップにいる「権威人士」しかいないためだ。

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