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仏大統領選を契機に再浮上する日米株価の上値期待

経済アナリスト 田嶋智太郎氏

 テクニカル分析でも同様の結論が引き出される。対円でドルの値動きを示すチャートを「月足」で見た場合、これまで本欄でも何度か紹介しているように、一目均衡表の月足「雲」の存在は、ドルの下値を支える役割を果たすものとして意識されやすい。この「雲」は、ときに相場の上値を強く押さえたり、ときに下値を強く支えたりするものとして広く市場関係者や投資家の間で認識されている。

 下図では、4月の月足ロウソクが一時的に月足「雲」上限を下抜けたものの、月末時点の終値では「雲」の上方に留まり、しかも強気の流れを示す「下ヒゲ」をも伴う形状となっている。この月足「雲」上限は2013年5月から10月までドル(対円)の上値をガッチリ抑える役割を果たし、また2016年6月以降は62カ月移動平均線(62カ月線)とともにドル(対円)の下値を力強く支える役割を担ってきた。

ドルの下値を支える一目均衡表の月足「雲」

 また、記事執筆時点では、もう一つの節目と言える31カ月移動平均線(31カ月線)が115円辺りの水準にあり、少し長い目で同水準を試す展開となる可能性も大いにあるものと見られる。日本経済新聞が3月期企業110社を対象に行った調査では、2018年3月期の対ドル想定レートは「105円と110円に二分」したということだが、115円辺りということであれば、想定より円安になり、日本企業には好ましい水準だろう。もちろん、その場合は日経平均株価の上値期待も相応に強まると考えられる。


田嶋 智太郎(たじま ともたろう)

1964年生まれ。慶応義塾大学卒業後、現三菱UFJモルガン・スタンレー証券勤務を経て転身。転身後は数年間、名古屋文化短期大学にて「経営学概論」「生活情報論」の講座を受け持つ。金融・経済全般から企業経営、資産運用まで幅広く分析・研究。新聞、雑誌、Webに多数連載を持つほか、講演会、セミナー、研修等の講師や、テレビやラジオのコメンテーターとしても活躍中。主な著書に「財産見直しマニュアル」(ぱる出版)、「外貨でトクする本」(ダイヤモンド社)、「株に成功する技術と失敗する心理」(KKベストセラーズ)、「はじめてのFX『儲け』のコツ」(アルケミックス)、「日本経済沈没!今から資産を守る35の方法」(西東社)、「上昇する米国経済に乗って儲ける法」(自由国民社)など。

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