日本経済新聞 関連サイト

石油を読む

記事一覧

ガスの禁輸は「武器」として使えない

藤 和彦 氏

ロシアは信用できないのか

 日本では「パイプラインを結ぶとロシアに首根っこを押さえられる」との懸念が相変わらず根強い。「ガスの禁輸は『武器』として使えない」というエネルギー専門家の間の常識が一般の方々に広く伝わらないのが残念でならない。

 2007年にガスプロムが三井物産や三菱商事からサハリン2の権益を奪ったことを問題視する声もいまだに存在しているが、ロシア側が権益を取得する際に総額74.5億ドル(このうち三井物産に18.6億ドル、三菱商事に14.9億ドル)を支払ったことはほとんど知られていない。専門家も「1970年代の中東の場合と異なり、ロシア側は適正な対価を払って権益を取得している。三井物産も三菱商事も「投資資金が早期に回収できるメリットがあった」との評価を下している。

「ロシアはエネルギーを政治の武器に使用する」という間違ったイメージが日本国内に広がったのは、2006年と2009年のロシア・ウクライナ間の天然ガス供給をめぐる紛争が原因である。ここで事の真相を説明したい。

 紛争のそもそもの発端は、天然ガス価格をめぐって合意できず、契約が更新できないためにロシアがウクライナへの天然ガス供給を一時停止したことにある。

 ウクライナへの供給停止というロシア側の荒っぽい手段に批判が集まったが、まず指摘すべき点は、ウクライナへの天然ガスの供給停止は、ウクライナが天然ガス料金を払わないばかりか、ウクライナ領を通過するパイプラインから天然ガスを違法に抜き取る行為を恒常的に行っていたことに対するロシア側の懲罰的な措置であったということである。

この記事は会員限定コンテンツです。
続きを読むには、日経BizGateに会員登録(無料)してください。

最初に日経IDを取得し、その後日経BizGateに利用登録します。
おすすめ記事やキャンペーンをお知らせするメールマガジンもご利用ください。

すでに登録済みの方はログインしてください。

今すぐ登録 ログイン

PICKUP[PR]