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現状打破!売り上げの一層確保目指すSFA活用法

顧客管理を強化し売り上げを向上させる方法とは

特別講演
コンサルタントが語る
〝営業現場から見える「CRM/SFA」が定着しない組織の特徴〟

河村 亨 氏
 富士ゼロックス総合教育研究所 シニアコンサルタント

 富士ゼロックス総合教育研究所は社名の通り、複合機メーカーのグループ会社として教育ビジネスを展開しています。複合機はハードウエアの面からお客様のオフィスの生産性を向上させますが、当社はソフトウエアの面からオフィスの生産性向上に貢献することを目的にしています。複合機業界の競争は大変厳しいため、当社は営業科学に取り組んできました。その成果の一つがこの講演のテーマであるCRM(顧客管理)やSFA(営業支援システム)の効果的な活用方法です。

河村亨氏 河村亨氏

ベンダーの言うようには使いこなせない

 SFA/CRMを使うシーンは、大きく分けて3つあります(図4)。シーンI:組織としてのBI(ビジネスインテリジェンス)ツール、シーンII:チームとしてのプロセスマネジメント、シーンIII:担当者としてのセルフCRMです。用途として多いのはシーンIIになります。

図4 SFA導入後によく聞かれる一般的課題 出所:富士ゼロックス総合教育研究所 出所:富士ゼロックス総合教育研究所

 しかし、SFA/CRMの活用は意外に難しく、20年前は導入によって現場が荒れたことがありました。最近はそこまでの問題にはなりませんが、製品ベンダーの言うように使いこなせているところは少ないと思います。比較的多いのは、最低限の入力は行うものの、データを本当に生かしているのかが怪しい状況です。

 また、SFA/CRMを定説に沿って導入したところ、残念な状況になったという例もあります。

 1つ目は「管理のためではない、現場のために導入したと声高に言ってしまう」ことです。そもそも高額な費用をかけてSFA/CRMを導入するのは管理のためです。最終的には現場のためになりますが、最初からそれを掲げると現場は混乱します。それよりは「会社が管理するためである」ことは言い切ってしまうのがよいと思います。もちろんその際には、きちんと論理を立て、決意として示すことが重要です。

 2つ目は、現場、特にハイパフォーマー(成績優秀者)の行動パターンを活用方法に取り入れることです。ハイパフォーマーは自分なりの方法論を持っています。SFA導入に際して、営業部門のマネジャーがハイパフォーマーに意見を聞くと、しばしば独演会が始まり、マネジャーもそれに応酬して、独演会合戦のようになります。導入をとりまとめる事務局がそこで必要な情報を取捨選択する力があればよいですが、真に受けて全部盛り込んでしまうと、複雑になり、使いこなせなくなります。これを私は本当に何度も見てきました。マネジャーやハイパフォーマーは、完成したシステムをみて、「誰だ、こんな複雑なシステムを作ったやつは」とぼやくのです。

 3つ目はこの逆です。機転の利く営業部門のメンバーはシステムの活用方法について意見を聞かれると、自分の言ったことが反映されることを察するため、何も話そうとしなくなり、その結果、ノートで管理できるぐらいの簡単なものになります。この場合、営業担当者は完成したシステムを見て「ノートでも管理できるじゃないか」と文句をいいます。

 さらに深刻なのは、営業日報を長々とシステムに書き込むような活用方法を採用する場合です。製品ベンダーは「日常のコミュニケーションをシステムで代替できます。直行/直帰も大丈夫です。その代わり、必ず日報を書いてください」というのですが、少し考えてください。10人の営業担当者が、1人1日4件のお客様を訪問する会社では、1日40件の日報が書かれます。すべてに気の利いたコメントを返せるでしょうか?マネジャーのコメントは次第に「OK」「了解」「がんばってください」といった型にはまったものになります。

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