日本経済新聞 関連サイト

長島聡の「和ノベーションで行こう!」

記事一覧

情熱ある人同士が化学反応を起こす触媒に

第4回 春田真・エクサインテリジェンス代表取締役会長に聞く

ローランド・ベルガー 日本法人社長 長島 聡氏

長島 なるほど。DeNAでも様々な経験をされて、最後は会長まで務められましたが、独立しようと考えたのはなぜですか。

AIは利用されてなんぼ

春田 真氏(はるた まこと)<br>

エクサインテリジェンス代表取締役会長。<br>

京都大学法学部を卒業後、1992年4月住友銀行(現三井住友銀行)に入行。同行退職後、2000年2月ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。2011年6月取締役会長に就任。DeNAの上場を主導するとともに大手企業とのJV設立や横浜DeNAベイスターズの買収などM&A(企業の合併・買収)を推進。2011年12月、ベイスターズのオーナーに就任。2015年4月ベータカタリストを設立し、代表取締役CEO。2016年2月エクサインテリジェンスを設立し、代表取締役会長。 春田 真氏(はるた まこと)
エクサインテリジェンス代表取締役会長。
京都大学法学部を卒業後、1992年4月住友銀行(現三井住友銀行)に入行。同行退職後、2000年2月ディー・エヌ・エー(DeNA)に入社。2011年6月取締役会長に就任。DeNAの上場を主導するとともに大手企業とのJV設立や横浜DeNAベイスターズの買収などM&A(企業の合併・買収)を推進。2011年12月、ベイスターズのオーナーに就任。2015年4月ベータカタリストを設立し、代表取締役CEO。2016年2月エクサインテリジェンスを設立し、代表取締役会長。

春田 もともと、DeNAに長く居ようとは思っていませんでした。ところが、移籍した直後にインターネットバブルが崩壊し大変な状態になりました。資金調達に奔走したり、その後も頻繁に問題が起こる。そのたびに対応することを繰り返していたら、15年もたってしまいました(笑)。最後は球団オーナーを務めながら、米サンフランシスコに駐在していたのですが、現地の人から「普通の人にはできない経験をしてるんだから、それを生かして新しいことを始めたら」と言われて、やるなら今だなと。

長島 それでまず、ベータカタリストを設立されたわけですね。この会社の理念というか、事業内容がユニークですよね。

春田 僕はいろんな分野に興味があって、やりたい事業がいっぱいありました。だったら1つに決めずに並行して進めようと考えました。ベータカタリストという会社自体は、事業をやりたいと思う人たちをつなぐ触媒(カタリスト)であり、イノベーションを生み出す「場」を目指しています。単に投資するのでなく、事業にも密接に関わるし、場合によっては自分たちで事業を立ち上げることもします。

長島 エクサインテリジェンスもその1つですが、AIに目を付けたのはどんな理由ですか。

春田 今後成長が見込める領域はヘルスケアや農業などいろいろありますが、AIは横串のように、どの分野にも必要なテクノロジーだと思ったのです。僕は理系ではないので、技術の詳しいところはわからないし、技術の追求それ自体にさほど興味もありません。AIで何ができるのかがとても興味がある。もっと言えば「利用されてなんぼ」と思ってる(笑)。だから、利活用するシーンを考えた形でのAIの会社を立ち上げたいと考えました。

 アルゴリズムなど本当のゼロイチ(ゼロからイチを生む)の技術はグーグルなどが莫大な資金と工数をかけて開発している。しかも論文などで成果を公開もしています。だったら、そこはもういいんじゃないかと。ただし、その技術を実装できるかどうかは別問題です。そこは技術がまだ確立されているわけではないので、すぐに決め打ちしてプロダクトを作ったり、売ったりすることは考えていませんでした。まずは実際に顧客企業と一緒に課題を解決する中で、技術の活用法を探っていく形がよいのかなと思っています。

長島 AIが生活や企業活動の中でどんな風に浸透していくか、イメージはお持ちですか。

春田 僕自身はビジョナリー的に世の中がどう変わるかを考えるタイプではありません。バラ色の未来を描く人もいれば、問題点ばかり指摘する人もいますが、僕にとって興味があるのはビジネスになるかどうか。「こんなことできたらいいね」だけでは興味はわきません。例えば、ジャガイモの芽を取る作業を今は人がやっていますが、ロボットがやるようになると人の仕事を奪うのではないかと言う人もいる。でも現実にはその人手が足りないことが問題だということもあります。ロボットが人手不足をカバーし、ビジネスが拡大するなら、「あり」ですよね。

PICKUP[PR]