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プーチン大統領は対中偏重を見直すのか?

藤 和彦 氏

 プーチン大統領が中国と相思相愛を必死に演出するのは、歴史的に見て「中国との相互不信」の裏返しにすぎないのではないだろうか。

 このようにロシア側には対中偏重を見直し、日本に接近してバランスを取りたいという思惑もあると考えられる。

 パイプライン構想が日ロ間の経済協力プランの目玉となることを祈るばかりである。

日本の中東依存度を下げるロシア産原油

 日本は原油の大半を中東地域から輸入している。1970年代の2度にわたる石油危機後、日本の石油会社は供給源の多様化に取り組み、その結果、中東依存度は1973年の77%から1987年に68%にまで低下した。しかし1993年中国が、そして2004年にインドネシアが石油の純輸入国となり、両国からの原油輸入ができなくなったことから、1998年以降、日本の中東依存度は80%を超えたままである。

 中東依存の構造は日本に限らず他のアジア諸国も同様の傾向にある。

 アジア地域の石油埋蔵量が世界の3%にすぎないからである。このためアジア諸国は原油の域外供給に頼らざるを得ないが、輸送距離が最も短いのが中東地域なのである。

 ペルシャ湾岸からの主要石油市場への所要日数は、日本(横浜)まで21日、欧州(オランダ・ロッテルダム)まで34日、米国(メキシコ湾)まで38日と中東地域にとってもアジア地域が最も近いことがわかる。しかし近いとはいっても20日以上もかかり、ホルムズ海峡やマラッカ海峡のようなチョークポイントを通らなければならない。

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