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プーチン大統領は対中偏重を見直すのか?

藤 和彦 氏

プーチン大統領訪日で大手メディアが報じなかったことは?

 2016年12月15日のプーチン大統領訪日を前に、日ロ間で8項目からなる経済協力プラン策定に関する協議が本格化したが、筆者が最も注目したのはサハリン~北海道間の天然ガスパイプラインについての合意である。12月16日付インターファックス(ロシア)は「15日に開催された首脳会談のワーキングディナーで両首脳はサハリン~北海道間の天然ガスパイプライン建設に対する相互の関心を確認し、今後企業ベースで本プロジェクトに関するフィージビリティスタディ(事業可能性調査)を実施することで合意した」と報じた。プーチン大統領もパイプラインに関する合意について共同記者会見で触れたが、日本の大手メディアはこれについて報じていない。

 日本側のパイプライン建設の主体が確定していないため、日本政府がこの合意をメディアに対し積極的に説明しなかったからではないかと推察されるが、「パイプラインで供給される天然ガスで北海道内で熱電供給を行う」事業に関心を示す企業も出てきている。パイプラインが敷設される沿線都市(旭川市や札幌市など)で熱電供給網が整備されれば北欧並みの快適な生活が実現し、北海道経済の発展に大きく寄与することになるだろう。

 日本側は同事業にロシア企業が参加することに期待しており、実現すれば日本国内における「日ロ合弁事業」のパイロットケースになる。

 一方で、ロシア側が再び日本へのパイプライン構想に関心を持ち始めた理由に、「中国ファクター」が作用していることは確実である。

 ウクライナ紛争による欧米の経済制裁で窮地に陥ったロシアは、中国との関係を強化してきた。ロシア原油の最大の輸出先は2015年にドイツから中国へと変わり、天然ガスでも中国のプレゼンスが飛躍的に増大しようとしている。

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