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肖敏捷の忠言逆耳

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中国官製不動産バブルの行方

SMBC日興証券 中国担当シニアエコノミスト 肖 敏捷(しょう びんしょう) 氏

 中国経済を分析するエコノミストの端くれとして、日ごろ、様々な角度から分析レポートを書いているが、中国の不動産については意図的に避けている。これまで書いたものはことごとく予測はずれとなったのが原因だ。上海駐在時代の2005年から、年収倍率などに基づいて、筆者は上海の住宅価格が明らかに持続不可能なバブルだと警鐘を鳴らした。

 しかし、あれから上海の住宅価格が何倍上昇したのか、考えるだけで目まいがする。同じ時期に上海にいた友人たちの中で不動産投資に乗り出した者は少なくなかったが、飲み会などで再会するたび、「君の不動産予測を聞かなくてよかった」と冷やかされる羽目となっている。

なぜ、不動産予測がはずれ続けてきたのか?

 なぜ、筆者の中国の不動産予測がはずれ続けてきたのか? 能力が足りないとの一言に尽きるが、「2つの過小評価」が敗因だったと反省している。

 第1に、不動産に対する中国経済の依存度がここまで上昇してきたことに対する過小評価である。1997年のアジア通貨危機以降、内需拡大の切り札として、中国政府は不動産開発を経済成長のけん引役として位置づけた。

 不動産開発が本格的に動き出した2000年以降、果たして中国経済のけん引役となっているのか? 固定資産投資に占める不動産開発投資の比率や鉄鋼、セメントなど関連産業への波及効果などいろいろな切り口があるかもしれないが、統計の不備もあってどれも説得力が欠けている。恐らく、税収が一番分かりやすい根拠ではないかといえるだろう。

 次のページの図は、2006年以降の地方政府の歳入(除く中央政府からの財政移転)と土地譲渡収入の推移を示している。1999年、土地譲渡収入が約80億人民元で当年の地方政府の歳入の1.4%に相当するレベルに過ぎなかった。

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