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この時代を乗り切るワークスタイル改革

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シニアの活躍なしに企業の成長はあり得ない

自分楽 代表取締役 崎山みゆき 氏

シニアの活躍、新卒も見ている

 もう1つ、シニアがイキイキ働いている会社には、若年層が集まってきます。

――それは一体、どういう意味でしょうか?

 今の20代は就職してもすぐに辞めてしまうと言われています。しかし、彼らは飽きっぽいのではなく、安定した、長く勤められる会社を求めているんですね。新入社員は社内で自分のロールモデルを探します。つまり、どんな人が、どういった働き方をしているのかを冷静に見ているのです。

 実際の例を紹介しましょう。ある企業は多額のリクルート費用をかけて5人の新卒社員を採用しましたが、1年後には新卒全員が辞めてしまいました。

 理由は、「年配社員に覇気がなく、活気のない職場だったから」だそうです。自分の会社にやる気のないシニアがたくさんいたら、「ああはなりたくない」と思うのは当然です。逆に、シニアが活躍している企業は、若者に対しても社会に対しても、「社員を大切にする、働きがいがある会社」だとアピールできるでしょう。

 実はベンチャー企業でも、長期的に会社の将来を見据えている経営者は、シニアの雇用に積極的で、すべての年齢層の社員が働いている環境を築き上げようとしています。なぜなら、20~30年後には今の若手社員もシニアになり、定年退職を迎えます。会社が長く存続すれば、すべての年齢の社員を擁することになります。その時にどうやって仕事を分配するのか、どのような就業規則が必要なのかを考えているのです。

―― 会社の将来を考えれば、「シニアが働いていて当たり前」の環境が必要なのですね。

 その通りです。もちろん、新たな職を得るためには、シニア側も努力が必要です。まずは心身ともに健康であること。そして「働こう」という前向きな気持ちを持つことです。

 そのうえで、「自分の経験と知識がどの職種に活かせるか」を棚卸してみてください。残酷な言い方ですが、幸せな「60歳新入社員」になるためには、30~40代でどれだけ知識と経験を蓄積したかが勝負です。優秀な人材に企業が殺到するのは、新卒もシニアも同じです。むしろ、シニアのほうが能力の個人差が大きい。そのことを若いうちから自覚すべきでしょう。

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