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「ダラダラ癖」から抜け出すための10の法則

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「習慣を改める」という習慣を身に付ける

メリル・E・ダグラス & ドナ・N・ダグラス

 時間は、われわれが生きていくうえで一番大切な「資源」である。ただ、時間という資源がほかの資源と違っているのは、使わなくてもどのみち消えてなくなるということだ。この資源をいかに有効に使うか。自分の「作業・行動」を書き出す、「最も大切なこと」から手を付ける。こま切れ時間を1つに集める等々、時間管理と仕事のコツを具体的に伝授する。

どんな大きな仕事も「5段階法」で確実に攻略できる

 行動を上手に変えるには、次の5段階を必要とする。

1 欲求
2 認識
3 想像
4 計画
5 行動

 変えたいという欲求がなければ何ごとも変わらない。自分の労働習慣を変えてもっと効果的な仕事がしたいと、どの程度本気で思っているだろうか? 欲求こそが成否の鍵である。欲求が強ければ、自分自身で改変に着手する。心から変えたいという気持ちがなければ、いつになっても変えることはしない。

 人間の内部には、物事が気に入らなくてブツブツ不平を言いながらも、それを現状のままにしておきたがるもう1人の自分がいる。強いて変えようとは思わないのである。かと思うと一方では、もっと欲求の強い自分がいる。現状に飽きたらず、もっと大きな成果をあげたいという自分である。ほとんどの人間が、この2つの自分のぶつかり合いを常時経験している。片方の自分は変えたがらず、もう一方の自分は断固変えようと言う。いずれか勝ったほうが、実際に変えるかどうかを決めることになる。

 変えたいという欲求は大事な第一歩ではあるが、しかしそれだけでは充分ではない。いったん変えたいと思ったら、次には、変える必要があるのは何か、それを変えるにはどうしたらよいかということを知らなければならない。これを認識することが第2段階である。認識するということは、行動を分析し、何らかの習慣を見つけだし、日課をチェックし、まわりの物事への意識を高め、自分の習慣の実態を正確につかむことである。

 変える必要があるものは何か、それをどう変えるかということがわかったら、今度は、新しい習慣を身につけた時の自分を想像してみることである。新しいやり方で生活したり仕事をしたりしている自分を想像できるようでなければ、ほんとうに習慣を改めることはできない。

 実は、そのことを痛切に感じさせられた経験がある。息子にゴルフを教えた時のことである。まだクラブの振り方も知らない息子は、ゴルファーとしての自分自身についてきわめて否定的なイメージしか持っていなかった。練習をはじめてみると、ミスが多く、なかなか上手に打てなかった。彼は不平を言ったりブツクサ呟いたあげくに、自分にはクラブの振り方を正しく覚えることはとてもできそうにないと弱音を吐いた。

 彼は自分のイメージを描きそこなっていたのである。ミスばかりしている自分を想像することしかできなかったのである。その彼がぐんぐんと上達しはじめたのは、腕のいいゴルファーとしての自分をイメージすることができるようになってからのことであった。

 習慣を変える場合でも同じである。たとえば、時間をコントロールするにあたって最大の難点は自分に決断力がないことだと思っているとしたら、決然として行動している自分をイメージすることができるまでは、習慣を変えることはできない。

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