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デジタル変革マーケティング

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なぜ今、ダッシュボードが必要なのか

横山隆治氏 内田康雄氏

2020年代に向けた準備はできているか

 ダッシュボードの話をする前に、「少し先」の未来を覗いてみましょう。

 企業がデジタル変革に突き進むか、旧態依然の姿を取り続けるかなどに迷う暇もなく、日本のメディア環境は2020年頃を境に、大激変を迎えることになります。

 その一端として、総務省は2020年までに全国すべての小・中・高校で無線LANを導入し、「Wi-Fi」環境を整備する計画を押し出しています。ここから「デジタル教科書」の普及や、プログラミング教育の必修化を始めるシナリオが国を挙げて検討されています。

 そしてこの完全なる「デジタル世代」が誕生する頃には、Wi-Fiに接続される情報端末は4K/8Kの高精細映像が流通するパイプラインになっています。

 4K/8Kを通して流通する映像がVR(バーチャルリアリティー)機器のように、現実感覚をジャックするほど高精細で美麗なものになるとしたら、その双方向的な通信環境を使って、企業はどんなマーケティング活動やコミュニケーションメディアを創造すべきでしょうか。

 少なくとも、ブランドが求めるターゲットとの親和性が高く、ブランドを訴求しやすいモードを形成できるデジタルブランドコンテンツの開発がマーケティングの組織づくりのテーマとしてより重要になるでしょう。

 また、この時期のモバイル端末は、「高速通信」「低消費電力」「大容量対応」などの特徴を持つ5G(第5世代移動体通信)に準拠したものであり、5GはIoT(Internet of Things)時代に即した技術になるようです。

 「IoTの時代」というフレーズは、決算説明会資料などでも頻出する常とう句になってきていますが、理屈上5G環境では、すべての「モノ」が無線に繋がるモニターとなり、無線サービスが多様化するといわれています。

 企業活動が各家庭内やフィジカルデバイスにまで入り込むことを想定すれば、顧客の心身の反応データまで含めてさらに深いデータ収集が進むことが考えられます。そうなれば、情報にアクセスする環境や場所、体調変化、心理状態、サービスの利用度など、各顧客の状況変化に柔軟に応じるマーケティングコミュニケーション活動がより盛んに行われていくでしょう。

 そしておそらく2020年代には、日本でもデジタル広告がテレビの市場を超えてくることが想定されます。その頃AI(人工知能)が広告の最適化も応用されているとしたら、大手広告主を中心にバルク買い(大量発注で安く仕入れる方法)で広告の掲載面を購入し、オーディエンス、タイミング、コンテンツ、コンテキストに最も適したブランドの広告素材を選んで自動配信するモデルに様変わりしている可能性があります。今はそうした時代に向けた「助走期間」として、入札運用型広告におけるデータやノウハウを蓄えておく重要な時期に差し掛かっています。

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