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デジタル変革マーケティング

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左脳でインプット、右脳でアウトプット

横山隆治氏 内田康雄氏

PDCAの「P」はPrice?

 「PDCAサイクルを回す」――どんな分野でも合言葉のように使われるようになりましたが、マーケティングの世界で、PDCAをしっかり実現できている企業は少ないのではないでしょうか。

 従来型のマーケティング施策、特に広告を例に挙げると、「予算がプランを決めてしまう」状況がずっと続いています。

 たとえば、「テレビ広告は少なくとも億単位のキャンペーン予算がないとできない」と決め込んでいるようです。そしてテレビ出稿の出稿量とコストは、ほぼ比例するので、予算がプランを決めてしまうのです。

 これは、施策目標に関するKPI(重要業績指標)をしっかり定めていないことに起因します。PDCAのPがPriceになっていては、そもそもPDCAは回りません。予算は使い切ることが目的化するので、目標KPIがないキャンペーンでは、いくらチェックしてみても最適化することはできません。

 日本企業がキャンペーンを実施する場合、まず予算化して、予算をベースにプランを作り、プラン通りに実行して、終わってから効果があったかどうかを調査する、というモデルが多くなっています。

 しかし、終わってから調査したところで、もう終わっているのだから、手の打ちようがありません。そうではなく、始める前から現状を特定のKPIとして(しかも競合ブランドと比べて)把握し、キャンペーンによる達成目標をしっかり数値化し、リアルタイムで把握しながら、目標を達成できるように「随時打ち手を投じる」というのが、PDCAが回っている状態なのです。

 特に昨今は消費者も発信者になって、ブランド発のコミュニケーションに対しての反応をキャッチできます。であれば、反応してくれた消費者に対してキャッチボールできないブランドでは、今の時代やっていけないでしょう。

 その意味でも、企業のコミュニケーションもアジャイル型にシフトしていかなければならないのです。つまりキャンペーン単位ごとに見直すのではなく、毎日のように施策の状況をデータで把握して毎日打てる手を打つというのが今日の発想です。そういう考え方がPDCAという行動様式のベースにないのでは意味がありません。

 リアルタイムで自社と競合ブランドのKPIを毎日捕捉している状態を作り、機動的な「打ち手」が取れるようにする。これこそ現代のマーケティング施策なのです。

 その基盤というべき「マーケティングダッシュボード」構築がこうしたマーケティング活動のスタートになります。

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