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グローバル競争を勝ち抜く組織・人事

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AI時代に求められる働き方と人事制度

樋口美雄・慶大教授 × マルセロ・モディカ・米マーサーCPO 対談

 グローバル化、高齢化、IT化の波が押し寄せるなか、日本企業の生産性向上と働き方改革が注目を集めている。企業、中でも人事部門はどう対応すべきか、また個人はどのような働き方を求められるのか。雇用や労働問題に詳しい慶応義塾大学の樋口美雄教授と、人事・組織コンサルティング大手、米マーサーでCPO(最高人事責任者)を務めるマルセロ・モディカ氏に対談していただいた。

段階に応じたグローバル対応を

樋口 美雄氏(ひぐち よしお)<br>

慶応義塾大学 商学部教授<br>

1952年生まれ。1975年に慶応義塾大学(ビジネス商学部)を卒業、1980年に同大大学院商学研究科博士課程を修了。1991年まで米コロンビア大学客員研究員を務め、商学博士号を取得、現在のポストに就く。その後、一橋大学経済研究所の客員教授、スタンフォード経済政策研究所の客員研究員、オハイオ州立大学の客員教授を務めた。現在、厚生労働省の労働政策審議会会長、内閣官房「働き方改革実現会議」委員を務めている。著書に『超高齢・人口減少社会のイノベーション:超成熟社会発展の経済学Ⅲ』(慶応義塾大学出版会、2016年)などがある。2016年秋、紫綬褒章を受章。 樋口 美雄氏(ひぐち よしお)
慶応義塾大学 商学部教授
1952年生まれ。1975年に慶応義塾大学(ビジネス商学部)を卒業、1980年に同大大学院商学研究科博士課程を修了。1991年まで米コロンビア大学客員研究員を務め、商学博士号を取得、現在のポストに就く。その後、一橋大学経済研究所の客員教授、スタンフォード経済政策研究所の客員研究員、オハイオ州立大学の客員教授を務めた。現在、厚生労働省の労働政策審議会会長、内閣官房「働き方改革実現会議」委員を務めている。著書に『超高齢・人口減少社会のイノベーション:超成熟社会発展の経済学Ⅲ』(慶応義塾大学出版会、2016年)などがある。2016年秋、紫綬褒章を受章。

――グローバルな事業競争が急速に進むなか、日本企業の生産性向上が課題になっています。経営者や従業員の意識はどう変わるべきか、また、ダイバーシティーなど価値観の多様化に対応した組織のあり方はどうあるべきでしょうか。

樋口 グローバル化の段階に伴って、人事制度も変わってきました。最初はモノの取引のグローバル化で、日本で製品を作り、海外で販売していく段階。ここでは海外業務に携わる法律や契約などの専門的な人材をいかに獲得し、活用するかが重要になります。外部で活躍する人材を採用することが多く、まだ社内の人材が関わる度合いは大きくありません。

 2番目は資本のグローバル化で、海外に直接投資して工場を作ったり、販売拠点を設けたりして事業を拡大する段階です。海外の人材を雇用する必要があり、現地の雇用慣行や賃金体系をそのまま採用するか、それとも日本の制度を持ち込むか、いずれにせよ異なる文化を合わせる必要が出てきます。

 3番目は人のグローバル化です。海外企業を買収する場合などがこれにあたります。海外企業の社員が日本の本社で働くようになるため、異なる価値観やダイバーシティーに対応した制度に改めていくことが必要になります。このようにグローバル化の段階に応じて制度をうまく機能させることが、生産性向上のカギを握ります。

モディカ 日本企業は長年、グローバル化への対応に努力してきました。その結果、私も含め海外に住む人たちは日本企業のすばらしい製品やサービスの恩恵にあずかることが、より容易になってきました。今後、求められるのは思考のグローバル化、考え方のグローバル化だと思います。ダイバーシティーやインクルージョン(包摂性)といった考え方への対応が必要になるのです。

 マーケットの状況は個々の地域ごとに理解する必要がありますが、労働力は国ごとではなく、グローバルに通用する人材として育てていくことが競争力の向上につながるでしょう。日本で働く従業員が海外で働く、逆に海外の人材を日本に呼び寄せる。そのように協業することで、同じ課題をいろいろな視点で捉えることができ、ひいてはイノベーションを創り出す力が生まれます。それが考え方のグローバル化、真のグローバル化につながるわけです。

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