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ネーミング全史

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劇的ネーミングの作り方

岩永嘉弘 氏

 劇的とタイトルに書いたのは、ネーミングがマーケティングという名の舞台でモノやコトのドラマを演じるからです。物語を表現する主役となって、人々を感動させることがその役割である、宿命である、ということを再認識した上で、ネーミングの作り方を開陳したいと思ったことが背景にあります。

 マーケティングの主役、広告の核として、ネーミングはどんな姿をしていなければならないか。主役にふさわしいネーミングはどうやって作ればいいのか。

 すなわち、ネーミングの在り方、作り方を探ってみましょう。

商品実体の把握 そのモノやコトの特性は?

 「ネーミングはひらめきで生まれるんですか」とか「トイレの中で思いつくこともあるんでしょ」とか聞かれることがあります。しかし、詩や俳句を作るようなわけにはいきません。失礼、詩や俳句を詠む方に叱られますね。あれらだってやみくもに作っているわけではありません。様々な観察や分析を重ねた上で言葉を研ぎ澄まして作るものでしょう。いわんやネーミングはモノやコトを感動をもって伝え、そのモノやコトを売るための言葉です。そんな劇的な役割を負っているからこそ、作るプロセスが重要なのです。それを抜きにして、いきなりひらめきは生まれません。

 さて。商品(モノやコト)が生まれました。まだ名無しです。じっと観察する。これがネーミング作りの第一歩です。それを前にしてあなたのすべきことは何か。いきなり言葉を探すことではありません。徹底的に分析することです。

 例えば、それが食品なら、こんな確認をすることから始めます。商品によって確認項目が変わってきますが、これらのポイントがネーミング作りの一番の基礎になります。何しろモノやコトそのものの実体ですからね。

 これらの分析の中から、同種同類の商品に勝つために、原料とブレンドの画期性にポイントを絞ったのが、あのロングセラー「アサヒ 十六茶」でしょう。他のお茶と一線を画す差別ポイント。それをネーミングにしたのは、製品自体の見事な解析があったからだといえます。いいえ、他にないお茶を作るために、多種茶葉のブレンドという製法を編み出した。その製品開発のテーマに絞ったことから生まれたネーミング、といった方が正しいでしょう。商品の実体の確認がいかに大事かといった一例です。

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