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長島聡の「和ノベーションで行こう!」

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中堅・中小の技術力を解き放つ「目利き」に

第2回 リンカーズの前田佳宏・代表取締役Founder & CEOに聞く

ローランド・ベルガー 日本法人社長 長島 聡氏

前田 インセンティブを働かせることが重要になると思います。私たちのマッチングはコーディネーターを介して売り買いの関係が成り立つから、うまく回っています。社内でも給与とか昇進といった人事制度と連動させてモチベーションを持たせる仕組みを作ることが必要ですね。ただ、そこまでやるのは時間も労力もかかるので、まずはOBのネットワークや既存の取引先を利用するのがいいかなと思います。

「ありもの」の活用で働き方改革を

長島 知見やノウハウの共有に貢献した人を表彰するのも一案ですね。

前田 そうですね。そういう人たちが中心になって情報共有を進めている間に、人事制度を整えていけばよいと思います。1年後には社内オープンイノベーションという言葉が広く行き渡るように、私たちが流れを作っていきたいですね。

長島 コンサルティング業界には「壺割(つぼわり)」という言葉があります。蛸壺(たこつぼ)のようになった縦割り組織をいったん壊して、人や組織をドラスチックに動かすという意味なんですが、社内オープンイノベーションはまさにそれですね。

 もともと日本の製造業には、大部屋といって1つの部屋にいろんな部署の人間が集まって、壁に模造紙を貼ったりしてワイワイガヤガヤと議論する風土がありました。しかし、最近はグローバル競争の激化で技術革新や製品投入のスピードが速くなり、目の前の売り上げ目標を追いかけるだけで精いっぱいになっているように見えます。

前田 売り上げで評価されるから、事業部単位で動くようになってしまうんでしょうね。

長島 部門をまたいで情報共有すれば、ムダな研究開発が減って製品開発のスピードが上がり、会社全体の競争力が上がるという認識をトップが持てるかどうか。働き方改革といっても、今までのやり方で労働時間を減らすのでなく、「ありもの」の活用で無理なく生産性を上げていくという発想の転換が必要です。

前田 なるほど。日本企業は生産技術の効率性は世界でも有数のレベルだと思います。あとは知見の共有とか、人と人のコミュニケーションの問題を解消していけば、生産性は数百倍くらい上がるのではないでしょうか。

長島 せっかく高い技術を持っているのに「もったいない」の一言です。それでいて、多くの企業の人は「リソースが足りない」と言いますよね。日本企業の生産性は、ざっくり言って欧米企業の3分の2と言われています。少なくとも2倍になれば、欧米の1.5倍になるわけです。ぜひ、広げていきたいですね。

 ところで、リンカーズとローランド・ベルガーは2016年10月に業務提携しました。リンカーズのマッチングサービスと、弊社のコンサルティング能力やネットワークを融合して様々な事業を展開していく予定です。前田社長は今回の提携も含めて、これからどんな夢を実現したいとお考えですか。

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