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長島聡の「和ノベーションで行こう!」

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中堅・中小の技術力を解き放つ「目利き」に

第2回 リンカーズの前田佳宏・代表取締役Founder & CEOに聞く

ローランド・ベルガー 日本法人社長 長島 聡氏

 日本型のイノベーション=「和ノベーション」を実現していくには何が必要か。ドイツ系戦略コンサルティングファーム、ローランド・ベルガーの長島聡社長が、圧倒的な熱量を持って未来に挑む担い手たちを紹介していくシリーズ。第2回は前田佳宏・リンカーズ代表取締役Founder & CEOです。

2000人超のコーディネーターが活躍

長島 聡氏(ながしま さとし)<br>

ローランド・ベルガー代表取締役社長、工学博士。<br>

早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、ローランド・ベルガーに参画。自動車、石油、化学、エネルギー、消費財などの製造業を中心として、グランドストラテジー、事業ロードマップ、チェンジマネジメント、現場のデジタル武装など数多くの プロジェクトを手がける。特に、近年はお客様起点の価値創出に注目して、日本企業の競争力・存在感を高めるための活動に従事。自動車産業、インダストリー4.0/IoTをテーマとした講演・寄稿多数。近著に「日本型インダストリー4.0」(日本経済新聞出版社)。 長島 聡氏(ながしま さとし)
ローランド・ベルガー代表取締役社長、工学博士。
早稲田大学理工学研究科博士課程修了後、早稲田大学理工学部助手、ローランド・ベルガーに参画。自動車、石油、化学、エネルギー、消費財などの製造業を中心として、グランドストラテジー、事業ロードマップ、チェンジマネジメント、現場のデジタル武装など数多くの プロジェクトを手がける。特に、近年はお客様起点の価値創出に注目して、日本企業の競争力・存在感を高めるための活動に従事。自動車産業、インダストリー4.0/IoTをテーマとした講演・寄稿多数。近著に「日本型インダストリー4.0」(日本経済新聞出版社)。

長島 リンカーズは大手企業と中堅・中小のものづくり企業をマッチングさせるサービスで、成約率9割という高い実績を誇ります。それを実現するのが、コーディネーターと呼ぶ「目利き」を活用した独自のビジネスモデルですよね。具体的にどんな仕組みなのか、教えてもらえますか。

前田 はい。リンカーズは、トヨタ自動車やパナソニックといった大手メーカーから「こんな技術を持つ企業を探したい」といった依頼を受けて、全国の中堅・中小企業や大学の研究機関の中からニーズに応えられる相手を探して結び付けるのが主な事業です。ご指摘の通り、地場企業の技術力や経営者などの情報に精通したコーディネーターを活用するのが大きな特徴です。

長島 どんな人たちがコーディネーターになっているのですか。

前田 自治体や地域の経済団体の職員、大学の産学官連携に携わる人たち、そして地域金融機関の融資担当者などです。現在は2000人以上います。中小企業は独自の技術が外部に流出するリスクに敏感なので、大手メーカーがいきなり協力を依頼しても、なかなか簡単には重要情報を出したがりません。でも、何十年も付き合いのあるコーディネーターを介すると、話がうまくつながりやすいのです。

長島 なるほど。リンカーズ・マッチング・システム(LMS)と呼ぶマッチングのシステム自体も工夫を凝らしているそうですね。

前田 ええ。3年前に始めたときは従業員が2人しかおらず、すべてエクセルで管理していました。まず、東北地方で約200人のコーディネーターを組織化したのですが、メーカーから依頼が来ると、いちいち200人とメールのやり取りをしなければならず、最終的に候補企業を絞り込むまでに膨大な労力がかかっていました。これではとてもスケールアップできないと考え、3年間で作業の8割くらいをシステム化し、プラットフォームを固めた結果、大手のニーズにスムーズに応えられるようになってきました。

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