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デジタル変革マーケティング

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「デジマ=出島」デジタル変革への誤解

横山隆治氏 内田康雄氏

 デジタル人材とは、テクノロジーとデータに向き合うことができる人材といえます。テクノロジーを駆使し、データを分析して、マーケティング施策の企画実行に新たなデジタル知見を加えることが求められます。そのためには、マーケティング施策の企画実行者に対し、そうしたスキルによって得られた有効な「情報(インテリジェンス)」を供給しなければなりません。

 データは、それを施策に活かして初めて「生きる」といえます。データを眺めて「ふ~ん」と感心しているだけでは意味がありません。「データを活かす」──それはマーケティング施策の企画実施者とともに活動することを必須条件とするため、デジタル部署の任務とは「打ち手」を実行する者であること、または実行する者との共同作業をすること以外にないのです。

 デジタル専門部署の立ち上げ方で、いちばん気をつけなければならないのは、マーケティング活動の本流と一体であることで、決して孤立させないことです。まだまだ多くの企業人はデジタルを特殊で、かつ扱うのが面倒なものと捉えています。専門部署というと孤立しやすくなります。

 その意味で、デジタルは横断的に機能させるべきで、組織的に部署である必要はありません。一般的に「箱」を作ることが目的となりがちですが、デジタル化を機能できなければ意味がないので、組織化より機能化を優先する発想もあるでしょう。

 また、人材というのは専門性を重視しすぎて外部から招聘するだけではダメで、プロパー社員との融合をはからなければなりません。

 そのためにも、そうしたチームのOJTをしっかりプログラム化することが重要です。

 たとえば、デジタルの専門性を持った人材と、従来のマーケティング施策の経験者をコンビにして2名1チームを3チーム編成し、ペイド、オウンド、アーンドの3つのマーケティングメディア施策を、6カ月ごとにローテーションして、計18カ月で3チーム6名がデジタルマーケティングの経験値とレベルを上げるということが考えられます。

 デジタル部署は、その立ち上げ方より、その後のスキルの育成や社内との連携・コミュニケーションが重要ということです。

横山隆治・内田康雄著 『デジタル変革マーケティング』(日本経済新聞出版社、2017年) 第1章「マーケティングを「デジタル」で再定義する」から

横山 隆治(よこやま りゅうじ)

デジタルインテリジェンス代表取締役。1982年青山学院大学文学部英米文学科卒。同年旭通信社入社。96年デジタルアドバタイジングコンソーシアムを起案設立。同社代表取締役副社長に就任。2001年同社を上場。インターネットの黎明期からネット広告の普及、理論化、体系化に取り組む。08年ADKインタラクティブを設立。同社代表取締役社長に就任。10年デジタルコンサルティングパートナーズを主宰。11年デジタルインテリジェンス代表取締役に就任。『CMを科学する』『リアル行動ターゲティング』など著書多数。

内田 康雄(うちだ やすお)

デジタルインテリジェンス データドリブン・ストラテジスト。2007年早稲田大学教育学部卒。同年デジタルアドバタイジングコンソーシアム入社。ウェブ解析の導入活用支援、ROIトラッキング領域の専門家として活躍。13年デジタルインテリジェンスに入社。大手法人向けに、マーケティングを最適化するためのデータ分析やテクノロジーの導入運用等のコンサルティングを行っている。Digital Analytics Association認定Web Analyst、日本交渉協会認定交渉アナリスト。

デジタル変革マーケティング

著者:横山隆治・内田康雄
出版:日本経済新聞出版社
価格:3,024円(税込)

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