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デジタル変革マーケティング

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「デジマ=出島」デジタル変革への誤解

横山隆治氏 内田康雄氏

デジタル専門部署の立ち上げ方

 デジタル専門部署という組織をどう考えるか──。前述したように、専門性を意識しすぎると、本流のデジタル化がおぼつかなくなります。マーケティング活動の本丸、幹の部分がデジタル化しないで、枝葉の部分だけをデジタル施策でごまかす事態になってしまいます。

 一見、デジタル施策を行っているけれども、肝心なところは従来のままで、デジタルの化粧を施しているだけになるのは、かえって本当のデジタル化を損ないます。

 このディレンマが起こる原因のひとつが、デジタルは「専門性が高い領域」だという意識です。既存の人材ではできないという、ある種のコンプレックスがあるようにも思えます。しかし、マーケティング施策の幹の部分を担う人材が既存の人材である以上、専門人材を外から獲得しても、大きな壁ができます。それを専門部署にするとなると、さらに特別エリア(出島)になってしまうのです。

 そうした事態にならないように、また広告マーケティングの本丸がしっかりとデジタル化を果たしていくためには、単に箱としてのデジタル組織論ではなく、いったいどういうスキルが必要なのかという人材論から入らないといけません。

 それは、従来型企業の中核でマーケティング施策を企画実施している部署やメンバーが、デジタル変革を起こしていくためには、具体的にどういうスキルセットを持つべきなのかを定義するということです。

 デジタル専門の危うさは、たとえば広告領域でいえば、マス広告とデジタル広告を分離してしまうところにあります。しかも専門部隊として、デジタルテクノロジーやデータ分析に強い人材ということで外部から招聘したメンバーで構成すると、連携の利かない孤立した部隊になるリスクがあります。

 社内を「通す」ことに慣れているプロパー社員とデジタル人材として招聘された社員が、できればコンビを組んで仕事をすることをお薦めします。

 デジタル人材が必要とされているのは事実ですが、左脳系人材だけではマーケティング施策を実行することはできません。ビジネスロジックをしっかり理解し、経験値のある人材との連携をすることでハイブリッド人材を生むことになります。

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