日本経済新聞 関連サイト

デジタル変革マーケティング

記事一覧

「デジマ=出島」デジタル変革への誤解

横山隆治氏 内田康雄氏

デジタルマーケティングの本質とは

 最近、筆者が講演の最初のスライドで使うのはこの「出島」の絵です。

図表1 長崎出島図<br>

写真提供:Bridgeman Images/PPS 通信社 図表1 長崎出島図
写真提供:Bridgeman Images/PPS 通信社

 そのココロは、「デジタルマーケティング本部」を「デジマ」と略して呼称する会社が多いものの、まさに「出島」になっているということです。「デジタルというエーリアンと向き合うセクションは専門家が特別な地域でやる」「本丸は従来通り」という実態を象徴的に表したものだといえます。

 そして昨今声高に叫ばれる「デジタルマーケティング」が、ある意味特殊で専門性が必要なマーケティングと位置付けられています。

 しかし、本質は、「デジタルマーケティング」という特殊なマーケティングがあるということではありません。企業のデジタル変革(デジタルトランスフォーメーション)の中で、マーケティングがデジタル化するのです。

 そこでは、デジタルトランスフォーメーションによって、「マーケティングの再定義」が必要とされています。

 日本の企業の特徴は現場の適応力が高いことにあります。Web施策やソーシャルメディア対応も経営層が全くよく分からない中、一生懸命勉強して対応してきたのです。トップからの指針も全くありません。トップが言うのは「うちはデジタルはやってるのか?」という、「よく分からないが、他社に遅れているのは困る」という投げかけだけです。

 そんな中で、現場は増える一方の新しい施策対応を限られた人数でこなしてきました。Web対応、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)対応、アドテク対応、マーケティングオートメーション対応......と次々にテーマが更新されます。そしてそのほとんどが本来手段でしかない「ツール導入」が目的化してしまっています。

 それも当然で、会社としての基本戦略がないからです。部門としての対応だから、その目的も、KPIも、担当者の評価軸も明確ではありません。部署としての部分最適が進む一方、広告宣伝部署、CRM部署、Web担当部署、広報部署などが、それぞれのツール導入に対してそれぞれの目的と指標で動くから、企業としてのベクトルが統一できていないのです。

PICKUP[PR]