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ネーミング全史

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進化の歴史は続く ネーミングNOW

岩永嘉弘 氏

マジゲー ネット系は検索誘導で勝負する。

 ギョッと驚いた。という書き方は古くさいけれど、この中づり広告は、衝撃的だった。どこが衝撃的だったか。コピーがない、ということがである。

 この広告にある言葉といえば「マジゲー 検索」という二つの単語だけ。いわゆるコピーというものが一切合切消えている。

 広告にコピーが少なくなった。なくなった。キャッチフレーズが衰退した。いや、キャッチフレーズさえ消えてきた。広告文としてはネーミングだけが残ってがんばっている。と、近年の広告を眺めて感慨にふけってきたが、ここに至って、びっくり仰天した次第だ。

 近頃の広告は文字情報を極力少なくし、「詳しくは↓検索」とするものが増えた。まるで広告はネットへの誘導媒体のようになってきた。詳しい情報はネットにゆだねる。広告はネット情報の告知媒体になりつつあるかのようだ。

 そして、その告知先がネーミングなのだ。「マジゲー」が、それである。ここでは「マジゲー」という情報以外何もない。この広告を見た人はスマホにマジゲーと打ち込んで、なるほどすごいゲームだと、確認する。スマホを持っていない人は家に帰ってパソコンで「ググる」。

 さて、そうした行動を促すには、検索語はできるだけ覚えやすくなければならない。短くなければならない。ネット系のネーミングがその傾向で氾濫しているのは、さすがだ。短絡ネーミングの、いわば本丸なのである。

 似たネーミングにDeNAの交流サイト「モバゲー」。当然だ。「マジゲー」はモバゲーで配信されているゲーム名「大召喚!!マジゲート」の略であった。「モバオク」は携帯電話向け競売サイト。「キタコレ!」はイベント情報サイト。「ガルマガ」は携帯メールマガジン......という具合。「↓検索」の徹底はこの業種の真骨頂だ。その頂点が、この「マジゲー」なのである。

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