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ネーミング全史

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ネーミングはブランディングだ

岩永嘉弘 氏

 そもそも、BRANDという言葉は、牧場の牛や馬に付ける目印のこと。焼きごてでジューッと押して、その牛の属している牧場を表す烙印のことです。他の牧場との区別化、アイデンティティの目印を、BRANDと呼んだのでした。

 今日いうところのBRANDとは、広くモノやコトに記されるイメージの烙印です。これをどう作り上げていくか。どう広めていくか。それが、ブランディングといえるのです。

 ブランディングの出発点は、そのモノやコトの持っている特性を策定して、そこから、他ブランドと一線を画す、くっきりとした姿を作り上げることです。一つに凝縮した意味やイメージを、人々の心の中に鮮やかな姿として定着させていく作業。そしてやがて、世間に、社会に、鮮やかな確固たるコミュニケーションの主役を作り上げることに他なりません。

 そうしたブランディング活動の種となるのが、ネーミングです。ネーミングがロゴ化され、パッケージに記され、広告の翼に乗って人々の心へ、と飛翔していくからです。マーケットへ、世界へ、伝播してブランドが成就するのです。完結するわけです。その種作り、ネーミング作りから、ブランディングの長い旅は始まるといってもいいのです。

ネーミングの一つの方法はイメージ・ブランディング

 さて、ブランディングの種であるネーミングの作り方には、大きく分けて二方向あります。一つはイメージ的な方向です。

 そのモノやコトの機能や特質やメリットを、意味で表すのではなく、イメージ的かつ記号的な言葉で作り上げます。「ブルーバード」「セドリック」「クラウン」「コロナ」などなど、昔生まれたクルマのネーミングに多いです。

 これらは、その特徴を訴えているのではありません。青い鳥のようだ、小公子のようだ、冠のようだと、視覚的なイメージで例えています。他と区別する目印的な、記号的な言葉にすぎません。

 1980年代以前の洗濯機のネーミングもそうでした。

 「青空」「銀河」「うず潮」「琵琶湖」......。どれも、「水で綺麗に洗う」という洗濯機の役目のイメージ表現。同じ概念です。言い方を変えて、目印的、記号的に区別しているわけです。それがその後、「からまん棒」や「最洗ターン」「ななめドラム」などに変化していきます。機能をアピールするようになっていきます。

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