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しがらみ経営

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歪んだ意思決定の横行許す「しがらみ」

ポラリス・キャピタル・グループ 木村雄治氏、多摩大学大学院 徳岡晃一郎氏

 いきなりではあるが、まず次の項目のうち、あなたの会社に当てはまるものはないか、チェックしてみてほしい。

 このうち、3つ以上が当てはまるとき、自身の組織内には「しがらみ」が蔓延している可能性が非常に高い。5つ以上当てはまった場合は、自身の組織の中で「しがらみ」が将来の危機を招きかねない事態が確実に進行している状況にある。読者自身、まわりを見回してもらえば、確かにこのチェックリストのようなことが直接間接に会社の業績に悪影響を及ぼしていると感じられるはずだ。それこそがまさに、会社を危機に陥れる「しがらみ」なのである。

 日本の多くの企業は、技術力や人材力といったせっかくの強みを発揮できずにいる。既に持っているものを活かしきれないまま、成長が頭打ちになり、企業価値が伸び悩んでいる。日本には、このようないわゆる「もったいない会社」がとても多いのである。

 そしてその原因の大本にあるのは、「しがらみ」だ。しがらみが日本企業の成長を阻害している最大の障害であると言っても過言ではない。このことが、日本経済の"失われた20年"を招くことにもつながった。

 本連載は、こうした日本企業の病巣であるしがらみを見て見ぬふりをして放置しておくのではなく、むしろ積極的に掘り起こし、うまくマネジメントして、ビジネスを成功に導く方法論を説くものである。現在の礎を築いた創業者の理念や伝統的な仕事のやり方、あるいは上司や得意先との緊密な人間関係は、本来ならばその会社の「らしさ」「独自性」「強み」なのである。時が経つにつれ、多少窮屈に感じることがあっても、必ずしも悪いものとは限らない。

 重要なのは、美徳であったはずのものが、いつしか「しがらみ化」して、弊害となっていないかということである。多くのビジネスパーソンは、しがらみに大きなストレスを感じている。単に窮屈だから変える、というのではなく、その存在がマイナスになっているとき、それは「しがらみ」であり、即刻変えていく必要がある。

 しがらみから解放されて、正しいと思うことが実行できるようになれば、「もったいない会社」は本来の実力を発揮できるようになる。「もったいない会社」とは、見方を変えれば、潜在的に大きな成長性を秘めているということでもあるのだ。

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