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日本のお家芸「中庸の道」でトランプ政権に対抗

熊谷亮丸 氏 + 大和総研

日本の得意分野をあらためて見つめ直す

 毎年12月10日に行われるノーベル賞授賞式において、日本人がメダルと賞状を授与される姿をニュース番組で見る機会が増えている。

 日本の基礎科学力の高さが再認識される一場面だ。日本人のノーベル賞受賞者の数は、米国籍を取得した2名を含めて25人と、アジアでは突出して多い。

 分野別に受賞者の構成を見ると、日本は理系分野に世界レベルの優秀な研究者が数多く存在していることがわかる。これは、勤勉で繊細な作業を得意とする国民性があってのことだ。こうした誇るべき国民性に由来する日本企業のものづくりの潜在能力は非常に高い。世界経済がグローバル化と保護主義の対立で揺れ動く今こそ、日本企業は自らの強みを活かせる得意分野をあらためて見つめ直すべきだろう。

 では日本企業の強みを活かせる得意分野はどこか?

 それを考えるうえで重要なキーワードとなるのが、(1)製品のコモディティ化(汎用品化)、(2)製品サイクルの長さ、(3)真似できないノウハウ、の3つだ。

 第一に、日本企業は、製品のコモディティ化が起こりにくい分野が得意という特徴がある。

 製造業は、モジュール(組み合わせ)型とインテグラル(すりあわせ)型に大別できる。コモディティ化が起こりやすいのは組み合わせ型で、その代表例がデジタル家電だ。

 この業界では、標準化された部品(モジュール)を単純に組み合わせるだけで多様な製品が作れるため、激しい価格競争に陥りやすい。その結果、人件費の安い中国をはじめとする新興国の企業が市場シェアを伸ばすことになる。

 これに対して、すりあわせ型は、部品同士を微妙に相互調整し、さらには部品自体の修正を行いながら最終的な製品を作る。技術者の技と経験に加え、組織のチームワークが求められるなどの特徴がある。まさに、日本企業の強みが活かせる分野だ。

 第二に、製品サイクルの長さがカギを握る。

 日本企業は、製品サイクルが長い分野で健闘している。例えば、電力や鉄道といったインフラ関連、鉱山機械やプラントなどのエネルギー関連、さらにはロボット機械を含む産業機械関連が挙げられる。

 この分野は、先に参入した企業が必ずしも有利とは限らない。このため、日本企業は高い技術力を武器に海外市場に新規参入し、その市場シェアを拡大することが期待できる。

 さらに、こうした製品サイクルが長い分野は、コモディティ化が起こりにくく、価格競争に巻き込まれにくいというメリットもある。

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