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トランプ政権で日本経済はこうなる

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想定外の「シン・トランプ」リスクに備える

熊谷亮丸 氏 + 大和総研

 2016年11月3日、東京湾羽田沖に巨大怪獣「ゴジラ」が出現した。その後、ゴジラは東京に上陸して街を破壊し始める。

 日本政府は、この想定外の事態に対して後手の対応を余儀なくされるが、最終的には、ゴジラの活動を止めることに成功した。

 これは、2016年に公開されたゴジラ映画の29作品目『シン・ゴジラ』のあらすじだ。この映画では、国家の未曽有の危機に際し、型破りの政治家と官僚が奮闘する姿が注目された。

 現実の世界に戻ろう。

 その設定から5日後の2016年11月8日、米国では、事前の予想を大きく覆し、共和党のトランプが大統領選で勝利した。

 現在、各国政府は、トランプが大統領選で掲げた極端な公約や過激な発言が実現されることになるのか、固唾をのんで見守っている。

 もし、本当に全て実現されることになれば、世界経済は大パニックに陥るだろう。シン・ゴジラならぬ「シン・トランプ」の幕が切って落とされるというわけだ。

 大統領選に勝利した後のトランプは、過激な発言をいったん控えているほか、一部公約について共和党と調整する姿勢を示している。大統領選での政治パフォーマンス重視から、経済界出身という経験を活かした現実路線へと徐々に切り替える可能性がある。

 しかし、日本の今後の外交戦略を策定するうえでは、想定外のシン・トランプリスクについても備えておくことが重要だ。

 本来、通商分野や安全保障を巡る外交とは、相手国の内政・外交の現状や、国民性を綿密に調べ上げたうえで、周到に行うものだ。インテリジェンス(知性や重要な事項に関する知識・情報)こそが、外交の要なのだ。

 以上のような視点を踏まえつつ、今後日本がとるべき対処法について検討しよう。

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