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ビジネスプランコンテストで起業家呼び込め~島根県江津市~

日本政策金融公庫総合研究所 主席研究員 村上 義昭氏

 事業計画の新規性や完成度などで優劣を競うビジネスプランコンテストは全国各地で開催されています。一般の起業希望者を対象とするコンテストだけでなく、学生や女性を対象とするものも数多くみられます。また主催団体も、学校や商工会議所、金融機関などさまざまです。近年は地方公共団体やその外郭団体等が主催するものも見受けられます。

 江津(ごうつ)市ビジネスプランコンテスト、略称「Go-Con」。島根県江津市が2010年度から始め、すでに開催回数は7回を数えます。数あるビジネスプランコンテストのなかで、Go-Conは2015年に「第5回地域再生大賞」を受賞するなど、社会的に高い評価を受けています。

 Go-Conにはどのような特徴があるのでしょうか、そしてどのような成果を地域にもたらしているのでしょうか。

<島根県江津市の概要>

ソーシャルビジネスに特化したコンテスト

Go-Con2015の公開プレゼンテーション Go-Con2015の公開プレゼンテーション

 人口問題の「先進県」である島根県のなかで、江津市は人口減少率、高齢化率ともに県全体を上回っています。その主要産業は、石州瓦を主体とする窯業・土石製品製造業と日本製紙などの誘致工場です。しかし、窯業・土石製品製造業は和瓦の需要低迷などによって出荷は長期にわたって減少傾向をたどっています。2007年には石州瓦の大手業者が倒産、また2010年には誘致企業である大手電子部品工場が撤退するなど、市を取り巻く環境は厳しさを増していました。

 そうした状況のなか、江津市は2010年からGo-Conを開催しています。ソーシャルビジネスに特化したビジネスプランコンテストです。地域の課題を解決する起業家を江津市に「誘致」しようと始めました。

 発案者は、空き家を活用した定住促進を手がけていた中川哉(かなえ)さん(現・江津市政策企画課地域振興室長)です。移住を促進するには住宅だけではなく、働く場も重要であることから、雇用を生み出す起業家を誘致するという発想です。とはいっても、江津市は近隣市町を合わせても10万人くらいの小さな市場に過ぎず、営利目的の事業を成り立たせるのは容易ではありません。ならば、ソーシャルビジネスの担い手を呼び込めばよいと考えたのです。

 初年度は中川さんが中心となり、Go-Conの仕組みづくりに取り組みました。事業の推進母体となる委員会を立ち上げ、起業家支援を手がける東京のNPO法人などを委員に委嘱して、運営に関してさまざまなアドバイスなどを得ました。その結果、初年度のコンテストは盛況のなかに終えることができました。

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