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M&Aは社員にどう影響を与えるのか

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M&Aに必要な「感情と言葉のセンス」

クレイア・コンサルティング 執行役員 マネージングディレクター 針生 俊成氏

 本連載の第1回(突然のM&A、社員の予期せぬ流出を防ぐには)、第2回(「らしさ」への無配慮が統合の効果そぐ)では、M&Aが社員感情に与える影響について、「被買収企業」の社員の意識調査結果をご紹介した。調査結果からは、「被買収企業」で働く個人にとっては、M&Aは決して歓迎するような出来事ではないということが明確に浮き彫りとなった。

変革プロセスで重要な「解凍」段階

 しかしながら、「買収企業」にとっては、「被買収企業」の社員がM&Aを前向きに受け止め、M&A後の新しい事業戦略に向かって気持ちを切り替えてまい進して欲しいところである。また、「被買収企業の親会社であった企業」も、株式売却が手続き上で完了すれば「後は関係ない」と考えられるわけではなく、ポストマージャーのプロセスまで順調に進んでほしいと願うものである。

 本稿では、「被買収企業」の社員がM&Aを前向きに受け止められるように導くための方策について考えてみたい。自分が「被買収企業」の社員となった時にM&Aをどのように受け止めたらよいのだろうか。あるいは、「買収企業」の社員となった時に「被買収企業」の社員に対してどのような接し方をすればよいのだろうか。

 本稿では、社会心理学者のクルト・レヴィンが提唱した「変革プロセス」の枠組みに沿って考えてみたいと思う。

 「変革プロセス」の概略は図1の通りであるが、最も重要なのは「解凍」の段階である。

図1

 「解凍」の段階とは、これまでの職場環境(事業推進の考え方、業務の進め方や手続き、システムや制度、役割分担や責任追及のスタンス、等々)に慣れ親しんできた社員が、変化の必要性を認識し、新たな職場環境を(心理的に)受け入れる準備を行う段階である。

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