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食と農の新時代

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石破茂衆議院議員「TPPがどうあれ、日本農業の優位性は取り戻す!」

 米国大統領選挙後、当選したばかりのトランプ次期大統領は、いきなり環太平洋経済連携協定(TPP)への不参加を表明。安倍晋三首相が掲げる成長戦略の1つ、農業改革は日本再生の切り札との期待に反して逆風となるのか。日本農業はこれからどう進むのか。このほど、都内で開催されたシンポジウムで元農林水産大臣の石破茂衆議院議員が、こうした関心に応えた。その内容をまとめる。

セネガルと日本、同じ低自給率でも理由が違う

--------2016年12月20日、第6回アゴラ・シンポジウム(主催:アゴラ研究所、共催:日本バイオテクノロジー情報センター)が開かれた。テーマは「成長の可能性に満ちる農業」。石破氏の基調講演に始まり、消費者団体代表、メディア、農業生産者のシンポジストを加えて、日本農業の未来について語り合った。

石破茂衆議院議員<br>

1957年鳥取県生まれ。慶応義塾大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、1986年衆議院議員当選。現在は鳥取1区。当選10回。防衛大臣、農林水産大臣、内閣府特命担当大臣(国家戦略特区)兼地方創生担当大臣を歴任。先駆的に農業改革を主張している 石破茂衆議院議員
1957年鳥取県生まれ。慶応義塾大学法学部卒。都市銀行勤務を経て、1986年衆議院議員当選。現在は鳥取1区。当選10回。防衛大臣、農林水産大臣、内閣府特命担当大臣(国家戦略特区)兼地方創生担当大臣を歴任。先駆的に農業改革を主張している

--------日本の食料自給率は40%を切る状況で、世界の先進国の中でも極めて低くとどまっている。この中で、日本の農業は国産比率を高めて食料自給率を上げ、さらには国産農産物を海外に輸出し、それによって日本農業を強くし、国力を高めていこうという戦略を掲げている。とはいえ、それにはまだ難題課題が山積みだ。

石破 食料自給率については、私が森喜朗内閣の農水副大臣だったとき、食料自給率至上主義をやめようと申し上げた。食料自給率はあくまで結果であって、北朝鮮はたぶん高い。アフリカで毎日餓死者を出している国も高い。食料自給率というのは、その国で食べている食料がどのくらいその国でまかなわれているかというだけの数字なので、それが高いことに意味はない。

 例えば、セネガル。食料自給率が低い国同士、世界貿易機関(WTO)で協働しようと持ちかけたら、セネガルは「間違っても日本といっしょにはやらない」。というのも、セネガルはお金がないため、灌漑(かんがい)ができず、品種改良ができず、やむなく外国から食料を買っている。対して、日本はお金があるのに、世界中から食料を買っている。食料自給率が低いのは同じでも、理由が全く違う。それなのに、協働しようと申し出た己を恥ずかしく思った。

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