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石川善樹の「脳とうまく付き合う法」

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「再定義」こそ究極のイノベーション

新たな機能の眼鏡を次々に開発 JINSの井上一鷹氏に聞く

予防医学者 石川善樹氏

 予防医学者の石川善樹氏がさまざまな分野のエキスパートと対談しながら、脳とうまく付き合う方法を探る連載シリーズ。第12回のお相手は、パソコンなどのディスプレーから発するブルーライトをカットする眼鏡など、新たな機能を持つ眼鏡を次々に商品化しているJINSの開発者、井上一鷹氏です。井上氏が事業開発を担当する「JINS MEME(ジンズ・ミーム)」は目の動きをセンサーで感知し、様々な用途に応用できるとして多くの企業の注目を集めています。小売店を展開する同社が、なぜ付加価値の高い商品を開発できるのか、イノベーションを生み出す組織や体制には何が必要なのか、JINS MEMEの用途開発にも携わる石川氏が鋭く迫りました。

730年の眼鏡の歴史に新風

石川 善樹氏(いしかわ よしき)<br>

1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『ノーリバウンドダイエット』(法研)、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。2017年2月下旬に新著『うかつに仕事をはじめるな』(プレジデント)を出版予定。 石川 善樹氏(いしかわ よしき)
1981年広島県生まれ。東京大学医学部健康科学科卒業後、ハーバード大学公衆衛生大学院修了、自治医科大学で博士(医学)取得。「人がより良く生きるとは何か」をテーマとして学際的な研究を行う。専門分野は、予防医学、行動科学、計算創造学、マーケティング、データ解析等。講演や、雑誌、テレビへの出演も多数。NHK「NEWS WEB」第3期ネットナビゲーター。著書に『ノーリバウンドダイエット』(法研)、『疲れない脳をつくる生活習慣』(プレジデント)、『最後のダイエット』『友だちの数で寿命はきまる』(ともにマガジンハウス)など。2017年2月下旬に新著『うかつに仕事をはじめるな』(プレジデント)を出版予定。

石川 ジェイアイエヌは眼鏡専門店「JINS」で有名ですが、販売店の中でのシェアはどのくらいなんですか?

井上 私たちの推計では35%くらいです。

石川 すごいですね!!アパレル業界でいうと、「ユニクロ」に「ジーユー」を足したくらいの存在感ですね(笑)。

井上 2011年に発売した、パソコンなどのディスプレーからのブルーライトをカットする「JINS PC(現在はJINS SCREEN)」が累計700万本売れる大ヒットとなりました。いまは他社も同様の製品を出していますが、視力を矯正する従来の眼鏡の数十%くらいの市場が、わずか数年でできたことはすごいなと思いますね。

石川 なるほどー、パソコン用メガネって、すごいイノベーションだったんですね。ちなみに眼鏡ってどれくらいの歴史がある業界なんですか!?

井上 730年の歴史があるそうです。

石川 はー、それも長い歴史ですね!でも「JINS SCREEN」のような商品を出す会社は今までありませんでした。どうしてジェイアイエヌは開発できたんでしょう。

井上 まず、眼鏡の世界の特殊性からお話ししますね。従来の眼鏡の機能はレンズがほぼすべてと言ってよく、そのレンズメーカーは世界でHOYA、仏エシロール、独カールツァイスの3社によるほぼ寡占状態にあります。3社とも研究開発(R&D)機能を持っていますが、規模のメリットで利益が出せるので、眼鏡の機能にイノベーションを起こそうというモチベーションが働きにくい競争環境にあるという背景があります。

石川 なるほど。

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