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「一流」の仕事

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OJTでは一流になれない

経営コンサルタント 小宮一慶 氏

 OJT(On the job training)だけで、仕事の本質を勉強することは難しいでしょう。

OJTではなく「Off JT」に取り組む

 OJTは、目の前の仕事をこなせるようになるためにやることで、別の言い方をすれば「一人前」をつくるためのものです。一人前になってもらわないと会社も困りますから、一人前になるまではOJTで育ててくれるのです。

 ですが、「一流」になるところまで育ててくれる会社は少ないので、自分で「Off JT」(Off the job training)をやらなければならないのです。

 「仕事が終わったら、会社のことを考えるなんて一切嫌だ」という人もいますが、そういう人は転職した方がいいと思います。今の仕事が向いていないのです。もし、「仕事が終わったら会社のことなんて忘れろ」などと言っている上司がいたら、その人は経営者の同族でもない限り絶対に出世しませんから、一緒に飲みに行ったりするのは時間のムダです。

 本当に精一杯、仕事をしていてそう言うのであればいいのですが、そんなことを言う人に限ってたいした仕事をしていないものです。イチロー選手は、「球場から一歩出たら、野球のことなんか忘れたい」とは絶対に思っていないはずです。自宅にトレーニングルームがあるぐらいですから。

 「そうは言っても、日々の仕事でクタクタになっていて、帰宅すると勉強する気力がわかないのですが......」という声が聞こえてきそうですね。私も夜は、日記を書く、ブログをアップする、松下幸之助さんの『道をひらく』を読むこと以外は、机に向かいません。夜は得意でないからです。

 一生懸命、仕事をしていたら、頭も体も疲れ切っていて当然です。ですから、ウィークデーの夜は割り切って、疲れを取ることに専念し、よく寝ることです。そのかわり、週末は、「午前中1時間だけ」などと決めて勉強します。

 例えば、「土曜日の午前中1時間」と決めれば、習慣化して続くものです。2時間ならなおすばらしい。勉強は体調の良いときにした方がいいですから、ゆっくり眠れた日の、頭の調子のいい時間帯にするといいでしょう。

 週に1時間でもいいので、仕事の本質を勉強することです。目の前のことをこなしているだけでは、一人前から抜け出せません。多くの人が週休2日でしょうから、休みは48時間もあるわけです。それを全部、趣味に使うのではなく、少しでも勉強のために使えれば、一流になる道が開けます。そうすれば仕事は楽しくなります。

 それが嫌だという人は、一流になるのをあきらめることです。それぞれの人の価値観の問題ですし、私は別に止めません。

 ただし、そういう人は、人並み以上の給料をもらおう、キャリアアップしよう、などという望みは捨てた方が悩まなくてすむと思います。望むことがあるなら、それにふさわしい努力をすることです。ただし、「正しい」努力です。

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