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M&Aは社員にどう影響を与えるのか

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「らしさ」への無配慮が統合の効果そぐ

クレイア・コンサルティング 執行役員 ディレクター 橋本 卓氏

 M&Aのニュースはいろいろなところで目にするが、実際のところ、合併・買収されると会社はどうなるのだろうか。社員の給与・待遇はどう変わるのだろうか。仕事へのやりがいや会社への愛着は変わらないのだろうか。気になるところである。

 前回(突然のM&A、社員の予期せぬ流出を防ぐには)に引き続き、「買収された会社(被買収企業)」で働いている(または働いていた)社員400人を対象とした意識調査(表1)の結果から、M&Aに直面した社員の意識・感情の変化を読み取っていきたい。

表1

1.M&A発表後の社内の混乱

 一般的に、M&Aの取引が公式に発表されてすぐに、統合する両社のメンバーで構成される統合委員会が設立される。さらに事業ごと・機能ごと(生産・物流・営業・経営企画・人事労務・経理・法務・情報システムなど)に分科会が設立され、経営統合に向けた具体的な検討が進められていくのが一般的である。

 多くの社員にとって、統合委員会でどのような検討が行われているのかはわからない。そのため、統合の方向性についてうわさや憶測が飛び交い、現場の不安は増幅する。社員が変化を実感する代表的な出来事は、日々の仕事のやり方に影響を与える業務・システムの統合や組織改組・人事異動である。

 M&Aから1年以内に社内が最も混乱した出来事について聞いたところ、43%の人が「業務プロセスやシステムの統合」を挙げている(図1)。使い慣れた業務プロセスやシステムを変えることは仕事のやりづらさに直結するものであり、またどちらの会社のシステムが採用されるかは統合の力関係を明らかにするものでもある。今までよりも非効率にならざるを得ない現場の混乱・疲弊や、統合の意義に対する疑問・批判を助長するものであることは想像に難くない。

図1 M&A後の社内の混乱

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