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現場が営業マンを育てる、というウソ

藤本 篤志氏 

 平均1週間、平均2回、平均3か月目。

 この数字は、営業組織の人材育成がいかに間違っているか、ということを示すものだ。

軽視される営業研修

 平均1週間とは、営業職で中途入社した社員が研修を受ける平均期間を表している。"平均"ということは、3日の会社もあれば、2週間の会社もあるということだが、たとえ2週間であっても、短かすぎて褒められたものではない。

 この数字は、研修という座学を軽視している、という実情を端的に示している。なお、新卒社員に対しては、最低でも、ゴールデンウィークが過ぎるまでの1か月以上は研修を行う企業が多いが、それは、社会人としてのマナー研修などが多分に含まれており、営業に特化した研修となると、中途採用者の研修と中身はさほど変わらない。

 次に、平均2回とは、ロールプレイング(以下、ロープレ)、つまり模擬練習の平均回数を示している。2回ほどのロープレを行って、いきなり現場に出すということだ。中には、全くロープレを実施しない営業部も少なくない。

 3つ目の平均3か月目とは、営業社員にノルマが課せられるタイミングだ。営業社員ほど、粗製乱造という言葉が似合う職種はない。また、平均2回と平均3か月目に関しては、新卒社員もさほど変わらない。中途入社組は翌月からノルマという会社も少なくない。

 このように営業社員を雑に扱う理由は、「営業現場が営業マンを育てる」という幻想をほとんどの営業関係者が信じ込んでいるからだ。ある意味、悪気がある訳ではないとも言える。

 本当に「営業現場が営業マンを育てる」のであれば、営業社員の伸び悩みにストレスを感じる営業関係者や経営者は、この世の中に存在しないのではないだろうか。なぜなら、大半の営業マンは、真面目に営業現場に足を運んでいるからだ(営業量の問題はあるが)。この事実を取り上げるだけでも、「営業現場が営業マンを育てる」というのは、幻想に過ぎないことがわかるだろう。

 では、営業マンは、どのようにすれば育つのか。それを知ることで、この風評妄信から逃れることができる。

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