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ゲームをきっかけに親子の絆を確認

馬場保仁氏 清水章弘氏 綿貫知哉氏 鼎談インタビュー(下)

 ゲームと子どものかかわり方をテーマに3人の専門家が語り合った鼎談。前編の「ゲームは本当に子どもの勉強の敵?」の問題提示を受けて、後編では具体的に子どもとどう向き合えばよいのかを中心に論じました。

<参加者>
 馬場保仁さん(ファリアー 代表取締役社長)
 清水章弘さん(プラスティー教育研究所 代表取締役)
 綿貫知哉さん(プラスティー教育研究所 コンテンツ事業部部長)
       (司会、構成はメディア・ビューの橋本真理子チーフ・エディター)

思春期の親に必要な「聞く」姿勢

清水 ゲームを親子で一緒にやるメリットとして、親と共通の趣味を持っていることが子どもの自慢のタネになる、ということもあります。親はあまり気づかないでしょうが、結構自慢している子がいるんです。塾でも家族でアニメの「ワンピース」にハマっている親子がいました。お揃いのスマホケースを持っているんです。お子さんに言わせると「うちのおとうさんがワンピースにハマっちゃっていて」と言うのですが、おとうさんに聞くと「実はこんなの持ちたくないんだけどさ」なんて答えるのですが、2人ともすごくうれしそうに話をします。

馬場 保仁氏(ばば やすひと)<br>

ファリアー 代表取締役社長<br>

慶應義塾大学院政策・メディア研究科修了。セガ(当時セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』など多数のゲーム開発を担当。その後、ディー・エヌ・エーで人事やスマホアプリの開発にプロデューサーとして従事。現在は株式会社ファリアー代表としてゲーム開発に関わりながらゲーム業界の人材育成も行っている。共著に『ゲームの教科書』(ちくまプリマー新書)がある。 馬場 保仁氏(ばば やすひと)
ファリアー 代表取締役社長
慶應義塾大学院政策・メディア研究科修了。セガ(当時セガ・エンタープライゼス)で『プロ野球チームをつくろう!』など多数のゲーム開発を担当。その後、ディー・エヌ・エーで人事やスマホアプリの開発にプロデューサーとして従事。現在は株式会社ファリアー代表としてゲーム開発に関わりながらゲーム業界の人材育成も行っている。共著に『ゲームの教科書』(ちくまプリマー新書)がある。

馬場 わかります。僕はセガに勤めていた頃、サッカーや野球のシミュレーションゲームを作っていました。当時は発売後、プレーヤーを集めてゲームの全国大会のようなイベントを開催していたんです。親子で来ていたおとうさんに「引率で来られたんですか?」と話してみると、案外おとうさんのほうが熱心だったりするんです。子どもが「おとうさん、この選手は獲ったほうがいいと思う?」って聞くと「それは教えられん」とか言ってね(笑)。楽しそうに会話をしているんですよ。

清水 わかりますね、その感じ。

馬場 逆に子どものほうがくわしいことがあったら、単純にリスペクトすればいいと思いますね。「すごいね、それ教えて」って。それだけでもコミュニケーションのいい糸口になるでしょう?

綿貫 勉強も同じです。子どもに「そんなことも知ってるの! もっと教えて」と言うと、目をキラキラさせて説明しますから。子どもが喜ぶだけでなく、なんで面白いのか、感覚的なことを言葉にする力って、学力にも通じるんですよ。だからおすすめしたいですね。

馬場 今回の対談で取り上げた問題、誰でも通る道で、「こんな解決法があります」というような安直な問題じゃないと思います。たとえば戦後の混乱期は、子どものことをほとんど顧みれなくても、子どもは育ってきました。今は余裕も情報もたくさんある。じゃあ、その中で何をやるかという問題。思春期はいろんな誘惑があるもの。単純に親から自立し離れるきっかけのひとつをゲームが担っている部分があるというだけだと思います。

 まだ子どもが小さなうちは、親の言うことをきかせることは難しくなかったでしょう。でもこの小学校高学年から中学生という、責任はまだ親にあるものの、自我が形成されつつある時期ですから、それこそ放置するのではなく、一人前の人間として対等に扱うことを考え始めたほうがいいのではないでしょうか。

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