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クラフトビールでヒット連発、その「愛される仕掛け」とは?

熱狂顧客を育んだヤッホーブルーイングの快進撃

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

<b>国内主要ビール商品10ブランドのNPS(単位:%)</b><br>出所:トライバルメディアハウス熱狂ブランド調査2016 国内主要ビール商品10ブランドのNPS(単位:%)
出所:トライバルメディアハウス熱狂ブランド調査2016

※NPS:Net Promoter Scoreの略。推奨者正味比率の意。「このブランドを友人・知人にすすめる可能性はどの程度ですか?」といったアンケートを実施して、「0」から「10」の11段階で推奨意向を回答してもらう。推奨意向0~6の回答者を批判者、7~8を中立者、9~10を推奨者と分類したうえで、「(推奨者の数-批判者の数)÷合計回答数」をNPSとする。批判者が多いと値がマイナスとなる。米ゼネラル・エレクトリック(GE)がグローバルの経営指標として取り入れたことでも有名。

 広告の枠を購入すれば、商品の「認知」をある程度まで向上させることはできる。予算さえあれば、お金で「認知」を買えるのである。しかし、「この商品(会社)に夢中!ぞっこん!」や「あの人にも勧めたい!」という顧客の気持ちは、お金では決して買うことはできない。

 顧客にそう感じてもらうためには、長い時間を積み重ね、少しずつ、地道に顧客との信頼関係を構築し、距離を縮め、親近感をもってもらい、ときには期待を超える予想外の感動を提供しながら、共感や愛着を形成していくしかない。

 ヤッホーは、その道を愚直に突き進んでいる。だからこそ、コモディティー化が進行し、猛烈な価格競争に巻き込まれているビール業界において、値引きやプレゼントキャンペーンを実施せずとも11年連続で年率30~40%成長をするという離れ業をやってのけているのだろう。


池田 紀行 (いけだ のりゆき)

トライバルメディアハウス代表取締役社長。1973年横浜市生まれ。ビジネスコンサルティングファーム、マーケティングコンサルタント、ネットマーケティング会社クチコミマーケティング研究所所長、バイラルマーケティング専業会社代表を経て現職。キリンビール、P&G、トヨタ自動車などのソーシャルメディアマーケティングを支援する。『Facebookマーケティング戦略』『ソーシャルインフルエンス』『キズナのマーケティング』など著書多数。Twitter:@ikedanoriyuki、Facebook:http://www.facebook.com/ikedanoriyuki

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