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クラフトビールでヒット連発、その「愛される仕掛け」とは?

熱狂顧客を育んだヤッホーブルーイングの快進撃

トライバルメディアハウス 池田紀行氏

「これってハーレーダビッドソンと同じだ!」

 ネット通販が成功した2004年から、売り上げが順調に伸び始めた。ここで、井手社長とマーケティングに関わるスタッフ数名は、「よなよなエールをもっともっと日本中の人に飲んでもらいたい。ヤッホーブルーイングにできることは何だろう?」と考えた。

「リピーターやファンが大事なのは間違いない」
「新規顧客獲得のための認知拡大も大事なのは間違いない」
「けれどプロモーションや新商品開発のリソースはほんのちょっぴりしかない」

「そもそも、なぜ『よなよなエール』を愛飲してくれるのか?」
「おいしいから? 個性的だから? 希少だから?」
「ウチのビールと他のクラフトビールは何が違う?」

 社内スタッフだけで考えていても答えは出なかったため、ネット通販や店頭でリピートしてくれている熱狂顧客にインタビューを行ったという。その結果、「顧客がヤッホーのビールを愛飲する5つのインサイト」を発見できた。下図に示すように、「理想像の実現」「癒やされる」「自己確信」「共感する」「仲間をつくる」の5つである。

<b>「よなよなエール」ファンに対する調査結果</b> 出所:ヤッホーブルーイング 「よなよなエール」ファンに対する調査結果 出所:ヤッホーブルーイング

 この顧客調査を設計した中央大学ビジネススクールの田中洋教授は、調査結果を見て「これってハーレーダビッドソンと同じだ」とアドバイスしてくれた。以降、ハーレーダビッドソンジャパンの「ブランドと熱狂顧客の関係づくり」を徹底的にベンチマークし、予想外価値の創出につなげていった。

緻密に設計された「熱狂ピラミッドのループ」

 その成果の1つとして、ヤッホーは顧客を熱狂させる独自のロイヤルティーステップを策定しているが、ここでは別の図「熱狂ピラミッドのループ」で整理してみたい。

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