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AI時代の主役へ 躍進エヌビディア

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技術の潮流見抜き、エコシステム確立

ドリームインキュベータ執行役員 石原英貴氏

 今からおよそ170年前、米国カリフォルニア州で金の発見が報告されると、全米および海外からの採掘者が殺到した。いわゆるゴールドラッシュである。しかし、この出来事で最も利益を得たのは、皮肉にも、金を掘らずに、殺到した採掘者向けにつるはしやジーンズを売った人たちだと言われている。なかでも、リーバイスを創立し、巨万の富を築いたリーバイ・ストラウスは有名だ。

ゴールドラッシュのジーンズ

 このエピソードが象徴するように、ビジネスで成功を収めるうえで大事なことは、市場の熱狂にいち早く飛びつき、一攫千金を狙うことではない。むしろ大切なのは「時代の潮流を先読みし、必要とされる必須ツールを見抜く」こと、そして、そのツールを「誰もが使いやすい形で商品/サービスに仕立てる」ことだ。つまり、沸き立つ市場で、競合ヨコ並びでひと山当てに行くのではなく、いかに「ゴールドラッシュのジーンズ」を押さえに行くかが鍵となる。

 エヌビディアはどうか?

ファナックとの技術提携を発表するファンCEO(2016年10月) ファナックとの技術提携を発表するファンCEO(2016年10月)

 第1回「画像処理の強み、AIブームで開花」の中で、エヌビディアの手掛けるGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)が、AI(人工知能)、AR(拡張現実)/VR(仮想現実)、自動運転等、今、まさに沸き立つ市場の裏側で必須のテクノロジーになりつつあることをお伝えした。今後、これらの市場の周辺で、いかなるビジネスが立ち上がろうともGPUは"必ず"必要とされる。

 エヌビディアを巡っては、この数ヶ月の間だけでも、中国最大の検索エンジンを提供する百度(バイドゥ)、世界最大のEMS(受託製造サービス)企業、鴻海(ホンハイ)精密工業、ロボットの高度化で未来の工場づくりを推進するファナックなど、世界中の巨大企業との提携が多数報じられている。まさに、「ゴールドラッシュのジーンズ」だ。

 では、エヌビディアはどうやってこのようなポジションを築いてきたのか?成功の要諦について、少し深く掘り下げてみたい。

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