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Brexit(英離脱)ショック 企業の選択

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英離脱「4つの自由移動」失うインパクト

みずほ総合研究所 上席主任エコノミスト 吉田 健一郎氏

 英EU離脱は、在英日本企業に、より直接的な影響を与える。EU離脱によって在英日本企業が受ける影響は、主に次の3点がある。

円高や英ポンド安など為替市場の変化がもたらす影響
英国やEUにおける需要減退がもたらす販売への影響
英国がEUから離脱しEU法が失効することによる税制面等での影響

①為替市場の変化による影響

 為替市場の変化を通じた影響は、在英現地法人の収益に直接の影響を与える。

 英国をEU向け販売の拠点としている企業が、日本から円建てで部品を輸入した場合には、円高は輸入コスト増加につながり得るため、在英現地法人の収益を圧迫する要因となる。一方で、ユーロ建てで商品をEU向けに販売している場合、対ユーロでのポンド安が進めば、それだけで収益面ではプラスの影響が出てくる。

 円高による輸入コストの上昇を防ごうと考えた場合、ユーロ建てで販売をするのであれば、ユーロ建てでの部品調達を進めることで、為替リスクを低減することができる。

 具体例を挙げてみよう。部品を日本ではなくユーロ圏から1ユーロ(ユーロ建て)で調達したうえで英国で製品を作り、ユーロ圏で10ユーロの価格で販売する企業を考える(図表1)。売り上げはユーロで立つため、そのうち1ユーロを部品のサプライヤーに支払うことになるので、儲けは9ユーロで変わらない。

図表1 為替変動の在英企業への影響 (資料)みずほ総合研究所 (資料)みずほ総合研究所

 在英現地法人の儲けは、仮に1ユーロ=0.8ポンドであれば7.2ポンドだが、1ユーロ=1ポンドまでポンド安が進めば、9ポンドが儲けとなる。

 日本における親会社との連結決算を行うことになるため、最終的な損益は円の対ポンド相場が影響を与える。しかし、在英現地法人が独立採算性をとっているような場合は、ポンド建てでの収益性も重視されるだろう。リスク回避という観点からは、現地通貨で部品を調達できた方が、現地法人の経営の安定性は増す。

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