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そのコンサルは本物か? まず提言の「仮説」を問え

長谷部智也 氏

 現在のコンサルティング業界は「大衆化」が進み、かつてないくらいにコンサルタント個々人の能力、スキルの「個体差」が大きい時代になっている。仕立ての良いスーツを身にまとい、話がやたらとうまく、豊かな教養で人間的な奥深さを演出する人物の表面的な格好良さに惑わされて起用すると、痛い目にあうかもしれない。そんなリスクが昔よりもかなり高くなっている。

 では、コンサルタントを起用する前に、腕が確かな本物のコンサルタントかどうかを見抜くには、どうすればいいだろうか。プロとしてのスキル・経験の有無を確かめるために、まずはこんな質問をしてみてほしい。

 納得感ある答えが簡潔に出てくれば、有望な人物といえるだろう。そのコンサルタントは、最終提言の仮説を「第0日に30秒」で語れるだろうか。

30秒で語るエレベータートーク

 コンサルタントとして重要なスキルのひとつは、本当に伝えたいことを簡潔にまとめることである。世のコンサル本で紹介されてすでに有名になっているが、「エレベータートーク」という言葉がある。

 クライアント先の社長と、偶然に同じエレベーターに乗ることになり、「わが社の課題と解決策は何かね?」と聞かれたときに、とっさにでも簡潔に、エレベーターで社長と時間を共にする30秒間で大事なポイントを伝えられるかどうかを問うものだ。

 これは、「コンサルタントとして常に仮説を持ち、それが簡潔に頭の中で整理されており、いつでも即答できる。さらにその仮説を、日々のプロジェクトの事実収集とともに進化させていく」という基本動作ができているか否かが試されるテストである。

大事なポイントは100個もない

 事業会社の企画担当でも同じことが言えるが、大事な戦略はA4判の紙1枚に箇条書きで整理できるくらいに、簡潔にまとめられているべきである。それができていないのは、要は頭が「とっちらかって」整理されていない、枝葉を削いだ本当に大事なことが分かっていない、優先度の高い施策が何かが分かっていない、その証拠と言わざるを得ない。

 「A4判の紙1枚」というのは、コンサルタントの最終報告書の1ページ目にあるエグゼクティブサマリー、すなわち、忙しい社長に「これだけは伝える」ことをまとめた要旨であり、エレベータートークで語れるべき内容とも一致する。

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