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行き詰まる伝統的な二大政党の政策

冷泉 彰彦氏

 2016年の米大統領選の構図からは、従来民主党と共和党が持っていた「対立軸」が大きく揺さぶられていることが分かる。

大きく揺さぶられる両党の政策

 この「軸の動揺」という問題を議論するために、改めて「トランプ、ヒラリー、サンダース」の3名の立ち位置、あるいは相互の関係を確認してみたい。まず、一般的な見方としては、ヒラリーという「中道やや左派」の候補を、「左派ポピュリスト」のサンダースと、「右派ポピュリスト」のトランプが、左右から挟み撃ちにしているという構図がある。

 これを少しひねったものとして、サンダースとトランプは「格差社会を意識する中で、自分が下の階層であるか、または下の階層になるのではという不安感を抱えた層」であり、一方のヒラリーという人は「格差を生む現在の社会構造の代弁者」だという見方が可能だ。もっと単純化して、富裕層を代表するのがヒラリーで、貧困層を代表するのがサンダースとトランプだという評価もある。

 もちろん、ヒラリー陣営としてはそんな言い方は心外であって、自分たちは内政も外交も含めた「全領域に関して実現可能な政策」を掲げているし、何よりもオバマ政権の発展的な継承をしようとしているのだ、と確信しているのは間違いないだろう。それ以前の問題として、ヒラリーの政策も十分に再分配を意識しており、決して富裕層優遇の政治を志向しているわけではない。

 だが、アメリカ社会全体から見ると、そうした階層との関連で印象付けられてしまっている、これは否定できない事実である。階層別というと身も蓋もない感じがするので、もう少し丁寧な言い方をするのであれば、「オバマの8年」について大きな不満のない層がヒラリー支持、大きな不満があるがカルチャー的には左派の層はサンダース、同じく大きな不満があって、さらにカルチャーとしてもアンチ・エリート、アンチ知性といった「味付け」を好む人はトランプ支持ということになる。

 とにかく、色々な解説が可能であり、アメリカの中でも様々な分析があるわけだが、同時にこのサンダース現象とトランプ現象に関しては、まだ十分に分析し尽くされているとは言いがたい。何よりも、この両者については、多くのアナリストや政治家は、ここまでの勢いになることを全く予想していなかったのだ。だが、1つだけハッキリしていることがある。そこにあるのは従来型の「民主党」対「共和党」の対立軸が壊れつつあるということだ。

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