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米軍式 人を動かすマネジメント

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なぜF86は高性能のミグ15に勝利できたのか?

田中公認会計士事務所 所長 田中靖浩 氏

「計画中心」から「臨機応変中心」へ

 ボイドのOODAループには、工業化時代への反省を含む発想の転換が3つあります。

(1)事前の計画よりも、事後的な臨機応変に重点を置いたこと。
(2)OODAのはじまりを自分ではなく、相手の観察に置いたこと。
(3)トップダウンでなく、現場パイロットを中心に置いたこと。


 この3つは20世紀の代表であったピラミッド型組織に見られる「計画中心・自分中心・トップダウン中心」から、「臨機応変中心・相手中心・現場中心」への発想の転換です。

 まず「(1)事前の計画より、事後的な臨機応変の重視」。PDCA発想では、自らの計画やマニュアルの手順通りにものごとを進める形式的な対応に陥りかねません。この点OODAは自らの計画に固執することなく、柔軟で臨機応変な事後の対応に重きを置きます。

 そのような臨機応変さは「(2)自分ではなく、相手をよく観察する」ことによって可能になります。

 PDCAサイクルが有効であるためには、計画を立てるための「時間的余裕」がなければなりません。もし計画を立てるために時間が掛かる場合、変化の激しい環境では間に合いません。計画を立てているうちに状況が刻々と変化し、前提がどんどん変わってしまうからです。

 「PDCAの高速回転」で間に合えばいいのですが、あまりにも変化が激しい環境では計画を立てること自体が不可能かもしれません。このような場合には、計画を立ててから動くPDCAではなく、動きながら考えるOODA発想のほうが有効です。

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