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奔流ASEANと日本企業

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求められる技術革新と高付加価値化

ローランド・ベルガー シニアコンサルタント 石毛 陽子氏

 技術革新や高付加価値化というと、日本や欧米等の先進国が中心と思われる方が多いかもしれない。しかし、近年、それはASEANにおいても、政策やビジネスモデルのあり方に大きな影響を与えるテーマとなっている。

求められる技術革新・高付加価値化

 ASEAN企業は歴史的に、豊富な労働力を生かした労働集約型の低付加価値産業を中心に成長してきた。しかし今後、ASEANの労働人口の成長は鈍化し、シンガポールやタイ、マレーシアを筆頭に、人口ボーナスは終了していく。賃金も上昇傾向にあり、それに見合う生産性を維持していかねばならないという課題を抱えている。

 また、ASEANの大きな輸出先である中国経済の成長が鈍化していることも、重要なイシューである。ASEANから中国への輸出のほとんどは原材料や資源であり、中国の成長鈍化の影響をダイレクトに受ける。それが高付加価値の消費財・製品であれば需要は安定化するし、さらに、高付加価値化が進めば多様な輸出先を獲得でき、中国への依存度も緩和することができる。

 そして、グローバルにおける経済の成長エンジンは、あらゆるものがネットにつながるIoTやIndustry 4.0など、テクノロジーやコネクティビティに変化している。ASEAN各国がグローバルの変化に乗り遅れないためには、技術革新が必要なのである。

ASEAN各国政府のかじ取り

 ASEAN各国の政府はこのような状況を深く認識し、各国濃淡はあれど、技術革新・高付加価値化を目指している。ASEANの中でも、シンガポールは特別な存在だ。「スマート国家」政策を打ち出し、世界でも最先端の技術立国を目指して世界中から技術を取り込み、柔軟に実用化。その他、ASEAN各国も取り組みを強化している(図表1)。

図表1 各国における技術革新・高付加価値化への取り組み

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