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国際会計基準で会社は大騒ぎ

公認会計士・税理士 山田咲道 氏

 会計の勉強を始めたマナブさん。グローバル社会の進展で、日本は世界の中で孤立しないよう、国際会計基準(IFRS)を導入しなければならないことを学びます。IFRSが導入されても、会計の原理原則は変わりません。では、日本基準とどんなところが違うのでしょうか。

経営者に都合のいい制度が使えなくなる?

マナブ IFRSは引当金と営業権の処理の仕方がちがうから、日本も早く対応しなきゃってことなんですね。

山田 それだけじゃありませんよ。

マナブ まだあるんですか!

山田 実は売上の計上基準もちがっていて、日本の場合は、前にも話したとおり、出荷したらそれで「売上が立った」として計上できるんだけれど、IFRSではお客さんが受け取って、その商品を検収、つまり品質とか数量なんかをチェックして、「たしかに受け取りましたよ」と言ってくれないと売上が立てられないんですよ。

マナブ これについては、IFRSが日本の基準に比べて、より確実性を重視するってことですかね。

山田 マナブさん、だいぶ成長しましたね。そうなんです。売上について、さらに言えば、工事進行基準はダメで工事完成基準になるかもしれません。これ、最近の「不適切会計」のニュースでも話題になりましたよね。

マナブ 何を話しているのか、急にわからなくなりました。

山田 じゃあ、ごく簡単に説明しましょう。たとえば、大きな建物とか、巨大な船舶とか、複雑なコンピュータのプログラムなんかを受注した会社があるとします。これが、かなり大きなプロジェクトで、完成までに何年もかかる。何年か経って、ようやく商品が完成した。それで、「では、確定した売上と原価を計上して納品した決算年度にすべて白黒つけましょう」というのが「工事完成基準」です。だから工事って言っても、道路工事だけじゃないですよ。ここまでは、いいですか。

マナブ なんとなく、わかったような気がします。

山田 でも、それでは仕事を請け負った会社にとって、完成までは経営の実態としての数字が表れないことになってしまうとも言えるでしょ。だから、売上とか原価とかを、お客さんに完成品として引き渡す前に、仕事の進み具合に応じて計上しましょうっていうのが、「工事進行基準」なんですね。

マナブ なんか減価償却に考え方が似てますか。

山田 厳密にはちょっとちがうんだけれど、まあ、いいか。この工事進行基準の適用については、「全体の売上(工事収益総額)」「全体の原価(工事原価総額)」「決算に計上する時点の仕事の進み具合(決算日の工事進捗度)」、この3つの見積もりが正確で信頼できなくてはダメだよ、ってことになっているんです。

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