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経営トップのための"法律オンチ"脱却講座

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ケース17:不祥事記者会見をなんとか乗り切るための極意

弁護士・ニューヨーク州弁護士 畑中 鉄丸(はたなか てつまる) 氏

今回の悩める経営者:株式会社ファーストクラス 代表取締役 末狡ますずる要逸よういつ(67歳)
相談内容

 いや~、先生、困っちゃいました。なんか、記者会見やらなきゃいけない羽目になっちゃいまして。世間って、ほんと、つまんないことで騒ぐもんですね。

 そりゃ、確かに、ちょっと製品性能データいじりましたよ。「新世代の画期的バッテリー! 使用時間は、今までの倍の長さ! 快適さ、ファーストクラス級!」っていう、あの、例の、新しく発売したスマホ外付け充電バッテリーですよ。

 ま、確かに、厳密に言うと、「倍」は言い過ぎかな。1.7倍というか、1.55倍というか、まあ、四捨五入したら「倍」かな、って感じなんですよ。今風に言うと、ちょっと「盛った(話を大きくした)」という感じでしょうか。

 それを、逐一検証してネットで公開した暇人がいて、また、さらにその情報を拡散した連中がいて、しまいには、リストラした元従業員も「確かに上司に言われてデータをよくみせるのに加担しました」とか暴露し出して、大変なことになっちゃって、明日、記者会見ですよ。ント、もう大変ですよ。

 そんな大した話じゃないですし、同業他社も皆やってますし、買ってくれるお客さんだって、まあまあ、薄々分かってますよ。

 だけど、ここまで騒ぎが大きくなったら、出て行ってお話ししないと、済まされないみたいで。それでね、一応、釈明したり、謝ったり、とかしなきゃいけない空気みたいなんですよ。広報の責任者いわく。

 問題は、私の、ウソをつけない性格というか、思ったことを何でも口に出してしまうクセでして。あと、その場のノリに弱いというか、妙なサービス精神みたいなところなんですよね。なんか失言しちゃいそうで、不安だな~。

 ただ、そんな私でも、まねというか、パクリというか、参考になるようなモデルみたいなものさえあれば、すぐに自分のモノにできるんですよ。当社も、先行する他社商品の技術のパクリ、いえ、もとい、"オマージュ"でのし上がってきたくらいですから。

 なんか、模範演技というか、サンプルというか、「こんなイメージで、記者会見乗り切りゃ、いけますよ」みたいな、頭にスッと入ってくる、そんなウマい記者会見乗り切りスキルを学べる本とかマニュアルとかないですかね?

 ま、こればっかりは、さすがの先生でも無理か......。「ヘマやらかしたときの釈明テクニック」とか、「マスコミがよってたかって行う質問攻めの集団リンチの乗り切り方」なんて、まあ、そんなのあるわけないですもんね......。

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