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いつも「生ぬるい改革」に終わるトラウマの正体

マネジメントソリューションズ 高橋清貴 氏

 いろいろ改革・改善に取り組んでいるけれど、なぜかいつも「生ぬるい結果」に終わってしまう――。皆さんにも、大なり小なり心当たりがあるのではないでしょうか。

 改革・改善がうまくいかない理由は様々ですが、あなたの会社が「改革・改善に、つい消極的になってしまうトラウマ」を抱えている、という可能性があります。そのトラウマはよく起こる失敗体験から生まれてきますが、思いのほか強く人の考えや行動を縛るので注意してください。今回は、このトラウマの正体を出発点に、改革・改善をうまく進めるための要点についてお話したいと思います。

改革・改善に必ずつきまとう障害

 会社をもっと成長させたい、社員にとって働きがいのある職場にしたいなど、「何かをよくする」ためには、阻害要因になっているものを取り除く必要があります。これはある意味、従来の状態を「壊す」「変える」ことです。それがどんな小さな改善・変更であっても、これまでやってきたことを変えようとすると、社内から反対や抵抗にあうのが常でしょう。

 私はこれまで様々な業務改革プロジェクトを支援してきましたが、お客様が最も頭を悩ませているのは、改革を行う際の「抵抗勢力への向き合い方」です。

 様々な改革を実行してきた経営者であればよくご存知でしょうが、改革ははじめが肝心です。改革の初期段階で発生した抵抗勢力への向き合い方を間違えると、ますます抵抗が強まってしまい、最悪の場合、その改革は頓挫します。

 1度でも抵抗勢力に翻弄された経験があると、改革側に「ある種のトラウマ」を残してしまう可能性があります。「また猛反対されたらどうしよう」という考えが頭をよぎると、思い切った改革には踏み出せなくなってしまうものだからです。社員側にも「抵抗して失敗させればよい」といった悪い習慣を残してしまうかもしれません。こうなったら、会社全体で改革のできない組織に陥ってしまうわけです。

 こういうトラウマを抱えたままでは、会社の成長も「生ぬるく」なってしまうでしょう。トラウマを取り去るには、抵抗勢力への向き合い方を知り、改革の大小を問わず成功体験を積んでいくしかありません。

現場から猛反対をくらった2つの失敗

 抵抗勢力への向き合い方について、恥ずかしながら私が過去に体験した失敗例をお話しします。2つの失敗を重ね、惨憺たる結果となりました。

 大手機械販売会社の業務改革プロジェクトで起こった話です。私はコンサルタントとして、関係部門のキーパーソン数人とともに抜本的な改革案を検討していました。この業務改革プロジェクトは結果を早く出すことが求められていたので、スケジュール上、短期間で施策を固め、実行に移す必要がありました。数人のキーパーソンで集中的に議論を重ね、改善施策を固めていったのです。

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