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現場発!社員に響く研修

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「暗闇」がリーダーに教える 部下との対話法

野村証券、ユニークな部店長研修に潜入

 300人以上の部下を抱える部長、億単位のカネを動かす責任者......。彼らが「ためになった」と実感できる研修とはどんなものか。野村証券は年に2度、管理職を対象にユニークな研修を実施している。そのうちの1つが「暗闇研修」だ。狙いは「管理職に聞き上手になってもらう」こと。研修から帰ってきた部長が急に変わった――。部下からも驚きの声があがるという研修の現場をたずねた。

暗闇で声を張り上げる部長たち

 今年2月、東京・高輪にある野村証券の研修施設に部長、支店長クラス152人が一同に会していた。年に2度の「部店長研修」を受けるためだ。社員は2班に別れ、交代で明るい場でのゲームと、暗闇研修をそれぞれ3時間ずつ受ける。

会場に集まった野村証券の部店長ら。約150人ずつの2班にわかれる。 会場に集まった野村証券の部店長ら。約150人ずつの2班にわかれる。

 研修所に集まった人は、きっちりとネクタイを締めた、いかにも「営業マン」といった姿の社員から、ジーンズにセーターというカジュアルないでたちの社員もいる。一口に「部店長」といっても、全国の支店で営業マンを束ねる支店長もいれば、本社のエンジニアとして日々コンピューターと向き合う人もいるからだ。年齢は30代後半から55歳まで、そのうち女性は5人と圧倒的に男性が多い。彼らは、現場に戻れば少ない人で15人、大きな部であれば300人の部下を束ねる管理職だ。

 「○○さん、この席に□□が座りますね」「この後ろにはモノがあるから気をつけて!」

 暗いカーテンでおおわれた会場に入ると、そこはたった一筋の光も入ることない「真の闇」だ。闇のなかで、幹部社員たちのかけ声が飛び交う。アテンドと呼ばれる視覚障害のある人に誘導されながら進むが、光のない世界では、相手に声をかけなければケガにつながりかねないし、「雰囲気で察する」こともできない。「すみません、どなたですか」「○○です」。アテンドも含め声と体温だけが頼りだ。

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